イラン女子サッカー・ナショナルチームのドイツ遠征、条件付きで実現へ
2007年06月09日付 E'temad-e Melli 紙


【アミール・アリーザーデ】6月1日にベルリン市のカッツバッハ・スタジアムで行われる予定であったイラン女子サッカー・ナショナルチームとドイツのトルコ人アマチュアチームの対戦(第2試合)は、ティール月末〔7月22日〕までに行われることになった。

 ドイツのスポーツ専門メディアSIDは木曜日、このように伝えた上で、トルコ人アマチュアチームの創設者兼プレーヤーの一人で、ベルリンで開かれる第2試合の主催者でもあるマルローネ・アーセマーンさんの発言として、次のように報じている。「私たちはイラン・サッカー連盟から、新たなファックスを受け取りました。それを受けて、7月の中旬までに試合を行うことができることになりました。テヘランのドイツ大使館も、迅速に選手たちにビザを発給する用意があるとのことです」。

 2週間前の金曜日に予定されていた試合は、イラン側関係者の言によれば、「技術的な理由」によって単に「延期」されただけであり、キャンセルになったのではないとのことであったが、しかしドイツのメディアは、イラン側による試合のキャンセルには政治的な理由があったと報じていた。

 SIDの報道によると、イラン側が試合を断った原因はベルリン警察の報告にあったことを、在ドイツ・イラン大使館とクラウス・ヴォーベレイト・ベルリン市長(社会民主党)の双方が認めたとのことである。同報告によれば、約60名の群衆が「イランにおけるヘジャーブ強制」に抗議するデモをスタジアム横で行う計画を立てていたという。その一方で、イラン・サッカー連盟のハディージェ・セパンジー副会長は試合の延期理由として、試合日が選手らが通う学校の試験期間に当たっていたこと、及び一部選手へのビザの発給がなされなかったことを挙げていた。

 ヴォーベレイト・ベルリン市長は木曜日、スポーツ・イベントは「対立をなくす」ために行われるものであって、政治的目的のための「道具として用いられる」ようなことがあってはならないと述べている。「そのような懸念があったことは事実だ。ここで一部のイラン人がデモを行うことは、予想外のことだった」。

 ドイツのスポーツ専門メディアによると、イラン大使館はベルリンで試合が行われる条件として、〔ベルリン市が〕デモを許さない態度を示すことが重要だとの見方を示したとのことである。マルローネ・アーセマーンさんは「もし私たちがこれに同意すれば、試合の開催を阻む障害はなにもありません」と語る。

 もちろんアーセマーンさんによると、このアマチュア・クラブが5ケタにも及ぶ損害賠償金をスポンサーや治安機関に支払うようなことが二度と起きることがないよう、ドイツ側の主催者は、今回試合に対して保険をかけているそうだ。前回キャンセルされた試合では、2000枚のチケットが販売されていた。

 クロイツベルクで行われるイラン女子サッカー・ナショナルチームとドイツ・トルコ人アマチュア・クラブの試合は、1年前テヘランのアーラーラート・スタジアムで行われた両チームによる試合の第2試合に当たる。この試合は、イラン女子サッカー・ナショナルチームが観客らを前にして行った公式戦としては、革命後初の試合であった。この試合は2対2の引き分けに終わっている。

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( 翻訳者:斎藤正道* )
( 記事ID:11247 )