レバノン軍がパレスチナ難民のデモに向け発砲
2007年07月01日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ レバノン軍がパレスチナ人デモに発砲 3人が死亡、数十人が負傷

2007年07月01日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ベイルート:本紙サアド・イリヤース】

 目撃者と医療筋からの情報によると、レバノン軍が金曜日、包囲されているレバノン北部のキャンプへの帰還を求めるパレスチナ人のデモに対して発砲し、3人が死亡、50人が負傷した。

 医療筋によれば、軍は当初空中に発砲したが、女性や子どもを含む数百人の避難民は力ずくで軍の検問を破り、約6週間前から軍とファタハ・アル=イスラームの戦闘員による激しい戦闘の場となっているナフル・アル=バーリド難民キャンプへの突入を試みた。

 群集が命令に従わなかったため、軍はデモ参加者に対して発砲し、犠牲者を出した。目撃者らによると、ナフル・アル=バーリド難民キャンプからの避難民は、アル=カーイダの手法に影響を受けた武装集団ファタハ・アル=イスラームとレバノン国軍との戦闘が5月20日に勃発して以来身を寄せていた近くのバッダーウィー難民キャンプからデモを始めた。

 デモに参加した難民らは、人道的に困難な状況下で過密なバッダーウィー難民キャンプで長期間過ごし、これ以上は耐えられないため、たとえ戦闘が続く中でも自分たちの家に帰りたいのだと声を上げた。

 国営通信社がメディアに発表したところによれば、数百人のパレスチナ人がトリポリ製油所近くに位置するバッダーウィー地区のレバノン軍検問を襲撃し、兵士らに罵詈雑言を浴びせながらナフル・アル=バーリド難民キャンプに向かって包囲を破ろうとした。レバノン軍は彼らを押しとどめ、後退させようと試みたものの収まらなかったため、最初は空中に、次いで地上に向けて発砲せざるをえなくなったという。

 現場の目撃者らによれば、バッダーウィー地区のレバノン人住民は軍を守ろうとし、素手でデモの参加者らと争って、複数の負傷者が出た。

(後略)

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( 翻訳者:新谷美央 )
( 記事ID:11293 )