イギリス、グラスゴー空港襲撃を受け警戒度を最高レベルに引き上げ
2007年07月01日付 Al-Nahar 紙

■ グラスゴーでの「テロ」を受けイギリスは警戒度を最高レベルに

2007年07月01日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【AP、ロイター、AFP、UPI】

 「チェロキー」タイプのジープが炎上しながらスコットランドのグラスゴー空港の正門に突入するという「テロ事件」が発生した数時間後、イギリス当局は治安警戒レベルを近いうちに国内でテロ攻撃が発生する危険性を示す最高レベルの「危機的」に引き上げた。

 問題のジープを運転していた2人は即座に逮捕されたが、うち1人は死亡したと言われている。一方警察は、ロンドンの中心部で一昨日爆発する前に発見された2台の不審車に爆発物を仕掛けた人物を捜索している。

 スコットランドで最大の空港であるグラスゴー空港に炎上しながら突入した車は正門の窓ガラスを割り、休暇を過ごすため空港の搭乗手続き窓口の前に並んでいた数百人の人々からわずか数メートル離れたところで停止した。警察は南アジア系とみられる2人の容疑者を逮捕したが、うち1人は炎に包まれていたという。アメリカのテレビ局CNNは、容疑者の1人が病院へ搬送中に死亡したと報じた。

 今回の「テロ事件」は、イギリス警察がピカデリー・サーカス広場付近に駐車していた「メルセデス」タイプの車と、その近くに駐車してありハイドパーク公園近くの駐車場に移動された別の車から爆発物を発見し、ロンドン中心部での爆破計画を未遂に終わらせた翌日に発生した。2つの爆弾は爆発する前に処理された。

 また今回の事件が起きたのは、4人の自爆者に加え52人の死者を出した2005年7月7日の爆破事件からちょうどあと1週間で2年を迎える日であった。

 イギリス警察は監視カメラに写った録画映像の精細な調査を行い、追加部隊を市街地とくに庶民院と貴族院のような重要地点の周辺に展開した。

 また「スカイニューズ」テレビは、ロンドンのナイトクラブ「タイガー・タイガー」の前に停車した車から逃げる男の姿を市街に設置されたカメラが「非常に鮮明に」撮影していたと報じた。

 ゴードン・ブラウン首相を議長として36時間の間に3度にわたり開催された危機対策緊急会議の後、ジャッキー・スミス内相は声明を発表し「テロ対策分析センターは、国家レベルでのテロの危険性に関する警戒レベルを「危機的」に引き上げた。これは過去48時間の展開を考慮したためのもので、適切な治安措置が講じられている」と述べた。

 会議に先立ち、スミス内相は今回のグラスゴー空港での事件を「危険である」と描写するにとどめ、意図的に引き起こされた事件だとの証言があるにもかかわらず、テロ攻撃と明言することを避けた。しかしブラウン首相は会議を終えた後、治安警戒レベルが引き上げられたのは昨日のグラスゴーにおける「攻撃」と、一昨日ロンドン中心部で爆発物の仕掛けられた車が発見されたことが理由であると強調した。警察はその後、グラスゴー空港への攻撃が「テロ事件」であったと発表した。

 ホワイトハウスのトニー・スノー報道官は、ロンドンとグラスゴーでの事件を受けアメリカ国内の空港における治安措置を強化したと述べた。しかしスノー報道官は、起こりうるテロ活動に対する警戒度はアメリカでは従来のレベルのままであると述べ、「アメリカに対する具体的な危険が存在するとの信用すべき指摘はない」と付け加えた。

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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:11337 )