夏休みのため、選挙への参加の低下が予想されていたが、現実にはならなかった。有権者は投票箱に殺到した。国民は、休暇村と故郷から選挙のために登録されている中心都市に帰り、そのためバスと飛行機で混雑が見られた。イスタンブルの空港やバスターミナル、チャナッカレ埠頭をはじめとして、交通の発着場で長い列ができた。
旅行会社によると、国内の旅行者は選挙に関心を払って座席の予約をしており、本当の休暇は明日始まるという。観光ホテル経営者・投資者協会会長、ティムル・バユンドゥル氏は、皆が投票するために休暇先から帰宅したと指摘し、「施設で基本的に外国人は動かない。トルコ人は皆帰って投票するだろう」と述べた。
トルコバス会社連合の会長、ムスタファ・ユルドゥルム氏も、休暇のためにエーゲ海と地中海の海岸にバスで行った人の90%が投票のため帰ったと述べた。ユルドゥルム氏は、この1週間で1100万人が選挙のために発ったこと、1週間の旅客数が1900万人に達することを明らかにした。
ユルドゥルム氏は、「エドレミット、アイヴァルック、アクチャイ、アルトゥノルク、チェシュメ、ボドルム、アンタリヤ、マナヴガト、アランヤ、フェティエからの帰りのバスは満席になっている。追加便を50パーセント増やし、需要に答えようと努力している」と述べた。同氏は、休暇地行きについては、空席状態であることを明らかにし、このため損失は1億ドル(120億円)に達すると述べた。また、「エーゲ海・地中海に行くものはなく、帰るものはある。例年は行き帰りともにバスは満席だった」といった。
選挙のため航空会社も命一杯の受け入れ態勢で臨んでいる。特にアンタリヤとイズミルからイスタンブルへ帰る便で混雑が見られている。航空各社は、増加する需要に対応するため追加便をだし、旅客収容人員の多い航空機をこの地域に向けさせた。トルコ民間航空会社協会会長のシャハベッティン・ボルクチュ氏は、7月19日から選挙が行なわれる日の朝も含め、民間航空で移動する「投票旅行者」の数が20万人に届くだろうと推測している、と述べた。同協会会長は、民間航空会社が通常1日に35000から40000人の客を運んでいると述べ、次のように説明した。「トラブゾン、エルズルム、サムスンといった県からイスタンブルに来る人もいる。夏は収穫の季節であるため、そういった地域に子供たちと赴く家族のうち、有権者は帰っている。例年この時期はそれほどでなかったが、この地域から帰る人たちもいる。1日の乗客の50%を投票旅行者が占めている。」
ボルクチュ氏は、需要に対処するためいくつかの航空会社が混雑する路線で追加便を置きはじめたと述べ、「1-2便を追加した会社もある。しかしそれ以外の社は収容人員の多い機種を用いている。さらに収容人員の多い機種を、混雑の減った路線から、混雑が生じている路線にふり向けさせている。160-170座席の飛行機に変えて、315座席の飛行機をふり向けている」と話した。
トルコの重要な旅行中心地のうちのひとつムーラでは、市民が投票のため休暇を過ごす地域から離れ、ボルドム-ミラス空港、ダラマン空港とバスターミナルで混雑が起きた。同時にバスターミナルにも活気が漲る一方、多くの会社がイスタンブル、アンカラ、イズミル、アダナの路線に追加便を設置した。一部の会社の関係者は、追加便として運行させるバスを見つけられなかったとし、「投票者カード」を見せた人に限るという条件で旅行者に30%の値引きをした、と明らかにした。
少し前にイスタンブル-ボドルム間で運行を始めた「アンカラ」という名前の旅客船は、選挙のためボドルムに早く到着した。船の追加便が強い要求によって実現されと伝えられ、同時に通常便の運行も続けられるという。「アンカラ」は、575人の乗客とともにイスタンブルに出発した。乗客たちは、投票するために休暇を中断したと述べ、国民としての義務を果たしたあと、休暇を続けるつもりだと口にした。旅行者の中には、休暇の計画を7月22日の選挙を考慮して立てたという人もいた。
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:11447 )