アル=カーイダのビデオ公開、ビン・ラーディン映像は古いものか
2007年07月16日付 Al-Nahar 紙

■ 殉教を呼びかけるビン・ラーディンのテープ、古い日付のものか

2007年07月16日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【MENA、UPI、ロイター、AFP】

 アメリカのCNNテレビは、イスラーム教徒に殉教を呼びかける「アル=カーイダ」組織の指導者ウサーマ・ビン・ラーディンが写されたビデオの一部を放送した。テープは新しいものと見られるが、最新の問題について触れられていないことから、撮影は古いと見られる。ウサーマ・ビン・ラーディンの写された最近のビデオテープは約3年前のものであった。

 屋外で集団の中心にいる軍服を着たビン・ラーディンは、「預言者ムハンマドは、私の人生を両手のうちに支配される御方にかけて、『私は攻撃しては殉教し、攻撃しては殉教し、攻撃しては殉教したい…』と言った。この広い人生の全ては彼という人格に集約される。彼はこの大地の至高にして偉大なる主であられる神の霊感を受けた人であった。…この誉れある預言者は神の啓示を受け、彼の人生全てをこの言葉に集約した。彼は自分自身がこの境地に達することを願った。預言者ムハンマドは殉教者になりたいと望んだ。殉教は、すべてのイスラーム教徒にふさわしい目標なのである。神に殉教者として受け入れられた者は幸いである」と語っている。

 CNNテレビのアラブ情勢編集担当であるオクタビア・ナスルは、「テープは数週間前に撮影されたものであるが『古い場面』があり、その部分はインターネットのいくつかのイスラーム系サイトを通して公開されている」と述べ、「収録時間は40分であるが、ビン・ラーディンの談話は約50秒である」と語った。またテープはアル=カーイダの広報活動を運営している「サハーブ・メディア・プロダクション」の製作であると述べた。

 アメリカの諜報機関のレポートではテープの新しさに疑いが示され、映像は6年前の古いもので、過去に「天国からの風」という題名で公開されたものだと述べられている。

 CNNテレビと「フォックス・ニュース」は、テープが再使用されたことは、ビン・ラーディンがまだ生きているとしても、新たなテープに登場するような健康状態ではないことを示すものであるとの見方を示した。

 また今回のテープでは、「メソポタミア聖戦アル=カーイダ」組織の指導者であり2006年6月7日にアメリカ軍の空爆の結果殺害されたアブー・ムスアブ・アル=ザルカーウィーが登場したことが目を引いた。これはテープがそれ以前に撮影されたことを意味する。またCNNテレビは、テープに現れた風景が、2001年9月11日の攻撃実行前にビン・ラーディンがハイジャック実行グループと一緒に撮影されたものに似ていることを指摘した。また5月にアフガニスタンで「アル=カーイダ」の新しい司令官として指名されたムスタファー・アブー・アル=ヤズィードが登場し、聖戦の大義のために死する覚悟のある戦士たちを称賛している。

 一方、イスラーム主義系サイトの監視を専門とするアメリカの「サイト」と「インテル・センター」の両機関は、ビン・ラーディンが現れる部分は古いとしても、テープ自体は新しいものであると指摘した。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:鳥居洋介 )
( 記事ID:11481 )