ラーリージャーニー「ウラン濃縮活動はイランにとって息をするようなもの」
2007年07月26日付 E'temad-e Melli 紙
「ウラン濃縮活動はイランにとって息をするようなものである。たとえブッシュ政権がイランに体制保証を提示してきたとしても、イランはナタンズにある遠心分離器を停止するようなことはない」。
これは、英インディペンデント紙がラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記の発言として伝えたものである。英仏独米4カ国の記者6名と90分にわたり行われたインタビューの中で、同書記は次のように述べている。「イランのメッセージは、いかに穏やかな口調で表明されたものであったとしても、明瞭である。イランはウラン濃縮を続行する、ということだ」。
アリー・ラーリージャーニー書記はさらに、次のように付け加えている。「イランはこれまで何度も、ウラン濃縮を停止せよとの国連安保理の要請に従うつもりはないという、きわめて断固としたメッセージを皆に伝えてきた。また、さらなる制裁に対しては、相応の反応を示すということを警告してきた。そして、アメリカはイラン核開発計画に関連した危機に幕を下ろすための交渉から、目を背けているということも言ってきた」。
ラーリージャーニー書記はまた、EUの外交政策の責任者であるハヴィエル・ソラナ代表との協議について、「国連安保理は新たな経済制裁を用意しているところだが、その一方でイランを交渉のテーブルに復帰させようと努力している」と率直に語っている。
インディペンデント紙によると、もしイランがアメリカから体制保証を取り付け、イランの体制変更を追求しないという言質を引き出すことができたならば、イランは核開発計画の停止拒否という方針を見直すかとの質問に対し、ラーリージャーニー書記は次のように答えたという。「われわれには、アメリカの体制保証など必要ない。この二つの事柄〔核問題とアメリカの体制保証〕の間には、何らつながりなどないと、私は考えている。あなたが持ち出した仮定の話は、ちょうど次のように言っていることと同じだ。すなわち、『もしアメリカが体制保証をあなたにするならば、あなたは息を吸うのを止める用意がありますか』と」。
イラン学生通信(ISNA)の報道によると、インディペンデント紙は続けて、ラーリージャーニー書記はヨーロッパ各国の外相との会談の詳細についても語ったと報じている。それによると、ヨーロッパ諸国の外相らは会談の中で、イランが核爆弾を製造する方向へと逸脱しないことを確信できるまで、西側諸国はイランによる核技術の開発を阻止する決意であることを、ラーリージャーニー書記に伝えたという。
またラーリージャーニー書記はインタビューの中で、イラン国内でウラン濃縮を行うための国際コンソーシアムを結成するというイラン側の提案は、アメリカによって拒否されたことを明かしている。ラーリージャーニー書記はこのことについて、「彼らはイランが核技術を保有することを望んでいないだけだ。しかしそれは、戦略的に言って誤りである。なぜならば、イランはすでに核技術を保有しているからである」と語ったという。
またガーディアン紙は、もしイラン核開発計画が原因でさらなる制裁を同国に行使するようなことがあれば、イランは「不法な」行動を検討することになるだろうとの、あるイラン政府高官の発言を伝えている。その一方でこの高官は、イラン核活動のこれまでの経緯について、包括的な説明をIAEAに提供することを約束したという。
この高官の発言から数時間前にも、ラーリージャーニー書記は、イランが最終的に自らの核活動のうち未解決の問題について、IAEAの疑問に答えることを約束している。ラーリージャーニー書記はテヘランで行われたインタビューの中で、「すべての問題・疑問に対して、回答がなされることになろう。われわれはこの件に関して、いかなる問題もない」と述べている。
この〔インディペンデント紙の〕報道はさらに、イランが回答しなければならない問題の一つとして、
なぜイラン当局が濃縮ウランを半円球状に転換する方法を解説した文書を所有していたのか、という疑問があるとしている。しかしこれに対して、ラーリージャーニー書記はこの文書の重要性は低いとの認識を示している。「どうしたら、数枚の紙切れで爆弾を製造することができるのか、私には不思議である。もしある国が爆弾を作ろうと思えば、インターネットを通じてでも必要な情報を得られるはずだ」。
先月、EU外交政策責任者のハヴィエル・ソラナ代表は、いわゆる「タイム・アウト」(中断・小休止)というアイディアを提案した。新たな制裁が停止される代わりに、イランは自らの核活動の拡大を停止する、というものだ。当局によると、この提案が拒否された理由は、〔小休止の〕有効期間が1ヶ月と短く、それを過ぎるとイランは再びウラン濃縮活動そのものを停止することを強いられるからであるという。
しかしラーリージャーニー書記は火曜日に、次のような見解を示している。すなわち、イランはより長期間の「タイム・アウト」なら、検討する可能性があるというのである。「すでに明確に述べたように、〔イランによって〕このアイディアが協議の場で提起される可能性もある。ソラナ氏との会談では、われわれはいつも問題解決のためのアイディアをいくつか用意している」。
〔後略〕
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:11494 )