トルコ航空のストライキ回避にむけ、仲介の動きが本格化
2007年08月11日付 Milliyet 紙
トルコ航空(THY)の社員投票で出された「ストライキ賛成」の結果に、観光、運輸、輸出業界は不安を募らせている。業界の代表者たちは、合意にむけた仲介の用意があると語った。
トルコ航空(THY)とトルコ民間航空業労働組合(Hava-İş)との間で団体交渉が合意に至れなかったために行われた投票では、「ストライキに賛成」の結果が出た。この結果は、観光、運輸、輸出業界の代表的立場にある者たちに行動を起こさせた。業界の代表者たちは、両者に合意を呼びかけ、必要であれば仲介役を担うこともできると表明した。
トルコ航空では31箇所のセンターで35の投票所、トルコ航空テクニック(THY Teknik)では22箇所のセンターで22の投票所が用意された。これらの投票所で8月6日月曜日に開始された社員投票は、一昨日(9日)、17時に締め切られた。その結果、5015人の社員がストライキに「賛成」を表明する一方で、4555人が「反対」の意思表示をした。この結果によって労働組合は、両者の合意に向けたプロセスの継続を条件に、6日前(休日を含まず)に雇用主に通知すればストライキに入ることができる。労働組合のストライキに対抗して、トルコ航空はロックアウト(労働者が雇用条件に同意するまで会社や工場に入らせないこと)の決定をとることができる。
トルコ民間航空業労働組合(Hava-İş)の事務総長、ムスタファ・ヤウジュ氏は、「合意に向けた会合を我々は歓迎します。新たな60日間のプロセスが開始しました。もうこれまでの申し入れは水に流す必要があります。23.9パーセントの給与引き上げ要求にも、我々に譲歩の余地はあります」と語った。
トルコ航空側は次のように語っている。「いま交渉中の我々の案は、あらゆる可能性を駆使して示された提案です。この提案からは一歩も譲れません。ストライキに入れば、我々がこの提案を二度と交渉の机上におくことはないことを特に強調しておきたいと思います」
エルドアン首相は、昨日(10日)、アンカラからイスタンブルに到着した際、アタテュルク空港でトルコ航空総本部長のテメル・コティル氏とトルコ航空取締役会長ジャンダン・カルルテキン氏からストライキ投票に関する説明を受けた。
■労働組合の要求
・ 最初の6ヶ月間は23.8パーセントの給与増、次の6ヶ月間にはインフレ率+5パーセントの給与増とする。
・ パイロットには月65時間、客室乗務員には月70時間以上の給与を保証する。
・ 搭乗勤務時間を週30時間、現行の月110時間から100時間とし、3ヶ月間では現行の300時間から250時間とする。そして年間900時間を上限とする。
・ 4千人の非常勤職員の社会的権利を向上させ、「策略的差別」から生じている給与の格差の是正。
■トルコ航空の合意案
・ 初年度は10パーセントの給与引き上げ、2年目以降はインフレ率+1パーセント増。トルコ航空経営側は、このほかに職級が上がることで職員は毎年1.75パーセントの昇給があることを指摘している。
・ パイロットは月70時間、客室乗務員は月80時間以上の給与を保証する。
・ 操縦室・客室職員のなかで労働組合の代表をつとめた者たちが「組合休暇」をとったという理由で、給与からいかなる減給もしない。
・ 兵役へ行く職員に対し、職場復帰を保証する。
■トルコ航空の給与
職種 月給
パイロット 12,000YTL(約109万円)
整備士 2,500-4,000YTL(23~36万円)
客室乗務員 3,000-3,600YTL(27~33万円)
地上職 2,000-3,000YTL(18~27万円)
単純作業員 650-2,000YTL(6~18万円)
註) 給与は年4度の賞与を含めた月額給与(手取り)である。この給与に社会福祉手当、フライト手当は含まれていない。
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( 翻訳者:杉田直子 )
( 記事ID:11624 )