「土地の誤った利用は2070年までにエジプトの農地を全滅させる」
2007年08月11日付 Al-Ahram 紙
■ ナズィーフ首相、土地改良計画による耕作面積をあらかじめ申告させることを検討
■ 土地の分割はせず、水は農業にのみに利用するとの誓約を投資家に義務づけ
■ 過剰消費により地下水位が8メートルも低下
2007年08月11日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【カイロ:ウサーマ・アブドゥルカリーム】
カイロ-アレキサンドリア間の砂漠ロード全域にわたって複数の会社が土地改良計画を実施する際に犯した違反を正すべく、国土利用計画センターが用意した報告書をアフマド・ナズィーフ首相が検討中だ。
同センターのウマル・アル=シャワーディフィー所長が明らかにしたところによれば、報告書では新規投資家に対し契約前に購入地の全体計画を提出すべきこと、耕作予定面積を明らかにすること、管理および居住のために用いる地区について、それぞれ専門家が推定する必要面積を越えない範囲内で、2箇所以内に集約させるよう特定することを義務付ける提案をしているという。
同所長は「今後はこの報告書に従って担当の各部署が、井戸水が近代的な灌漑方法によって耕作用にのみ使用されているかどうか厳しく取り締まることになる。新規投資家らは土地を小さく分割しない、違反すれば契約が自動的に破棄されるのを受けいれる、という誓約を求められることになろう」と語った。また違反の摘発のために定期巡回が行われ、違反時には水資源省と電気・エネルギー省がその土地に建つ施設への供給を停止することも決定されたという。
さらに所長はこれまでに蓄積された違反の影響について警告を発し、「砂漠ロード全域で地下水位が8メートルも低下している。水位低下に対処し、この地域中の農地を救うには、ナイル川の水を汲み上げる基地を建設し、パイプを通して運びこむという大計画を実行しなければならない。この計画には27億エジプト・ポンドに加えて約3億2000万ドルが必要だ」「エジプト全体の土地面積は2億3800万フェッダーンだが、そのうち耕作に適しているのは1640万フェッダーンにすぎない。違法行為を含む土地の誤った利用は、2070年までにエジプトの農地を全滅させることにつながるだろう」と指摘した。
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( 翻訳者:新谷美央 )
( 記事ID:11712 )