エルドアン首相の「国から出ていけ」発言について Hurriyet紙コラムニスト、ベキル・ジョシュクン氏の談話
2007年08月22日付 Milliyet 紙
ヒュッリイェト紙のコラムニスト、ベキル・ジョシュクンが「ギュルは私の大統領ではない」と述べたことに対し、エルドアン首相は「それならトルコ国籍から離脱しろ」といった返答をした。今回、ジョシュクンはこれに応えて談話を発表した。ジョシュクンは「『抱きとめる』とはこういうことなのだろうか? 首相がしようとしていることは、サウジに行く私のためにラクダを送ってよこすようなことだ」と話した。
ジョシュクンは、「選挙に圧勝してからエルドアンはギュルに戻った。彼自身も火遊びをしていることはわかっているんだ」と解説した。ジョシュクンは続けて、「私が書いたことのために『この国から出て行け』と言っている。このようなことは、首相が口にするような言葉ではない。ふさわしくない物言いだ。自国民にどうして『出て行け』などと言うことができるだろうか。まあタイイプ・エルドアンにはお似合いなのだろうが、首相としてはふさわしくない。私も行くところはあまりない。エルドアンやその取り巻きたちには、好きでない人々や自分たちに賛同しない人々をどこかへ追いやってしまうような癖があるようだ。『トルコ国籍から離脱せよ。そうする権利はあるぞ』と。しかし権利とかいう話ではない。」
■「無作法なことなど何もない」
「私はエルドアンに『トルコ国籍から離脱せよ』などとは言えない。悪いことをする人たちはともかく、出て行けなどと私には言えない。たとえば、選挙の直前に、あるテレビ局で我々について上司に苦情を申し立てる権利についてエルドアンは言及した。そして『上司のみなさんと話した』などと言っていた。
トルコが穏健なイスラム共和国であるかのように見えるのは、全てエルドアンの元で出てきていることだ。どうしたらいいのだろうか、社会はまだこのことに気付いていない。獲得した票数について誤った理解をしている。人々は『お前はこの国の唯一の統治者だ』などと言ったわけではない。47%の票は問題なかった。しかし53%の人々は信任票を投じなかった。2人に1人はエルドアンらと同じ考えではないのだ。この人々を抱きとめると言った。『抱きとめる』とはこういうことなのだろうか?」
ジョシュクンはヒュッリイェト紙のインターネットサイトに寄せた声明でもエルドアンにこのように返答している。「首相は、私のコラムを『無作法』だと言った。無作法なことなど何もない。そのような言い草の方が本当は無作法なのだ。どこへ行けというのか? 私はアイヴァルクにいる。一度ミディッリ〔訳注:ギリシャ領レスボス島〕に行こうとしてみた。行ってみた。砂浜にたどり着いた。ミディッリに来たぞ、と喜んだ。海岸に近づいた。よく聞くとトルコ語を話している。『なぁ兄弟、ここは一体どこなんだ?』と聞いた。『〔アイヴァルクの〕アルトゥンオヴァだ』と言った。砂浜は高い布地で囲まれていたんだ。なんと、エルバカンのビーチに出てしまったじゃないか…。」
■「脅迫に次ぐ脅迫」
ジョシュクンは、問題となったコラムが発表されたあとで、複数の脅迫文を受け取ったという。「インターネットや電話など、あらゆる形で脅迫された」と述べた。
首相が再びこの問題を取り上げてから脅迫が増加したと言うジョシュクンは、「首相がこんな風に誰かを攻撃すれば、脅迫もそちらへ向く。今回は私に向けられた。しかし脅迫を恐れるような人間はそもそも物書きにはならない。この種のことは私は気にしない」と話す。
昨夕〔8月21日〕警察が電話してきて護衛を申し出たことを明かし、「でも私は受け入れなかった。望んでいないし、依頼もしていない。電話をかけてきて、『護衛は要りませんか』と聞いてきたのだ。私は必要ないと答えた」と述べた。ジョシュクンは訴訟を起こしてもいないと言明した。
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( 翻訳者:宇野陽子 )
( 記事ID:11716 )