軍人の父をもつ女性、自らの経験をもとにクルド人青年との恋を小説に
2007年08月25日付 Hurriyet 紙

女優のエブル・ギョクチェン・エムレは、彼女の父親が将校として山岳地帯でテロリストを追っていた頃、青春期を過ごしたディヤルバクルでの経験を一冊の小説にした。この小説では、将校を父に持つ子供たちのトラウマが描かれている。またギョクチェンがあるクルド人の青年に抱いた恋心も・・・。

大佐の娘としてディヤルバクルへ行ったとき、彼女はまだ16歳だった。金網で囲まれた将校宿舎に、身分証明書を提示して入ったものだ。金網の外に出て本当の生活に触れたとき、その間にある隔りに気付いた。任務に赴く父親の帰りを、母親と不安と共に待った。武器の音もまた、その頃に初めて聞いた。宿舎が攻撃を受けた時、ゲームしていたが、その下に逃げ込んだエンドテーブルを、シェルターとして使うことも学んだ。

彼女はディヤルバクルで初めて、あるクルド人の青年に恋をした。将校の娘であるために、自分と距離を置く人々がいることをその頃に知った。何年も後に、自分の経験したことと、その地域で起こったことを小説にした。愛を引き裂くテロの一面を書き、一人の将校の娘とクルド人青年の恋を描いた。

女優であり、演劇学校の教師でもあるエブル・ギョクチェン・エムレは、これら全てを自分の言葉で、16歳の一人の子供の透明性で問いかけた。なぜなら彼女は大人となっていたからだ。本のタイトルは「同じ太陽の子供たち」となった。軍人将校の娘とテロ組織PKKの弁護士であるクルド人青年の恋を語った小説の中では、南東部で、将校の子供たちが経験するトラウマも描かれている。

■真の兄弟関係
エブルは、武器の音を初めてディヤルバクルで聞いたと話し、「母と父が家に不在だったある時、宿舎が攻撃を受けました。恐怖の中で、エンドテーブルの下に隠れたことを覚えています」と語った。本を書いた目的については、「『トルコ人とクルド人は兄弟だ』という言葉はスローガンになっています。でもこの言葉の中身は空っぽにされました。私は、私たちがなぜこの言葉を使ったのか、思い出してもらいたいために、この本を書きました」という言葉で要約した。エムレは、「人々の頭の中にはいろいろな壁があります。皆、問題を自分の眼鏡で見ている。誰も共感を広げる必要があるとは思っていません。このために何処かで行き詰まるのです」と話した。

■あなたたちを愛していると言いたかった
エブル・ギョクチェン・エムレは、本を書こうと子供のころから決めており、書くべき段階に来たのでペンを取ったと話した。ディヤルバクルで過ごした年月についてと同じほど、アドゥヤマの大学で一年間彼女が経験したことも描いている。将校の子供たちが南東部で経験したトラウマは、今日まで触れられることはなかったと述べたエムレは、当時から残る心の傷を次のように語っている:

「アドゥヤマンで、クルド人の友達は私に対して 何か遠慮していました。彼らにとって私は同じ年の大学の学生ではなく、軍人将校の娘だった。でも私は、彼らにいつも『私はあなたたちを愛している』と言いたかったのです。」

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( 翻訳者:林 奈緒子 )
( 記事ID:11743 )