クウェイト警察によるエジプト人労働者の虐待事件でエジプト国内に憤激広がる
2007年08月27日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ エジプト、クウェイトへの抗議と断交を求め憤激が社会に拡大
■ 原因は2人のエジプト人労働者に対するクウェイト警察の虐待

2007年08月27日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【カイロ:本紙、フサーム・アブー・ターリブ】

クウェイトの警察官によるエジプト人虐待事件を受け、エジプト社会に憤激が広まっている。すでに多くの野党議員がエジプト政府に対し、エジプト人に劣悪な待遇をしている国家により厳格な態度をとるよう要請した。

アブドッラー・アル=アシュアル前外務次官は本紙への独占インタビューの中で、アラブ諸国で働く国民に対する思いやりと憂慮を態度で示すよう、政府に呼びかけた。

またアシュアル前次官は、国外で働くエジプト人が置かれた状況に政府がこれまで無関心だったため、エジプトの権威が大きく損なわれてきたということを、国外で働く多くのエジプト人の身に振りかかっている事態が明らかに示している、と指摘した。

カラーマ党の執行部代表で、無所属戦線選出の議員でもあるハムディーン・サバーヒー議員は、エジプト人への侮辱を許している国家に対しより厳しい態度をとるよう、政府に嘆願した。

またサバーヒー議員は本紙に対し、エジプト人2名に硝酸を浴びせるというクウェイトで発生した虐待の一件は、エジプト政府がもはや自国民の自由の確保に熱意を抱いてないことを明らかに示していると述べた。

キファーヤ運動のスポークスマンであるアブドゥルハリーム・カンディール氏は、在カイロのクウェイト大使館員を召還する程度であったエジプト政府の対応の弱さを非難し、エジプト人がクウェイトでさらされた敵対行為は、世界中でエジプト人労働者が悲劇的なまでの侮辱に常にさらされていることの証明だと述べた。また同氏は、1960年代には世界中から敬意を集めていたエジプト政府は、今や国民の尊厳を守ることもできなくなってしまったとつけ加えた。

市民活動家たちは湾岸諸国、リビア、ヨルダンで働くエジプト人に対し、権利の保証と不正の除去のため、契約をよく確認する必要性を呼び掛けている。
(中略)

 虐待を受けたエジプト人2名は、入国管理法と労働法に違反した疑いで収監されていた入国管理局の収容所内で、殴打や硝酸による虐待を受けたと証言したと伝えられている。

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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:11809 )