コレラ、イラクで5000件の感染例:イランに伝播する危険性も
2007年09月03日付 E'temad-e Melli 紙

【社会部:マルヤム・パーピー】治安の〈管理〉(コントロール)を理由に参詣者のカルバラーへの渡航が禁止される中、イラク政府と駐留アメリカ軍は、コレラの感染を〈抑える〉(コントロール)べく厳戒態勢に入っている。非公式発表によると、イラクでは5000人がコレラに感染しており、これはイラン西部の諸州にとって大きな脅威と考えられている。

 保健省疾病管理センターのモハンマド・マフディー=グーヤー所長は、「先週よりイラクのクルド人居住地域でコレラが流行しているとの報道が多く伝えられており、最近の統計によるとイラクでは5000人もの人々がコレラに感染、既に8人が命を落としている」と述べた。
 
 同氏は、今年初め〔2007年3月21日〜〕から現在までのイランにおけるコレラ感染例は5件を数えるとした上で、次のように述べた。「これら5人の患者のうち、4人はパキスタンからイランに来た人で、このうち2人はチャーバハール、1人はゴム、1人はカーシャーンでコレラ感染が確認された。4人に対してはいずれも、早急に治療が行われた。残る1人はイラク人の患者であり、この人物はコルデスターン州のバーネ市で感染が確認され、すでに治療を受けている」。

 一方で、コルデスターン医科大学のファルザーム・ビーダールプール副学長(衛生担当)がイランにおけるコレラ感染例について示した統計は、グーヤー氏のものとは異なっている。ビーダールプール氏は次のように報告している。「現在までに、コルデスターン州の国境沿いの町であるマリーヴァーン市とバーネ市では、コレラに感染していることが確実な症例が3件報告されており、そのうち2人はイラクのスライマーニーヤ(ソレイマニヤ)へ旅行に行った経歴を持っている」。

(中略)

 イラク政府公式筋は現在に至るまで、コレラの感染例について公式な統計を発表していない。しかし、ユニセフが発表した統計によると、8月10日から現在までに5000件のコレラ感染例が確認されており、この内10人が死亡し、51人がイラクのキルクークでコレラ感染を確認されたとのことである。

 先週、ユニセフはコレラに感染している何千人ものイラク人の子供の命を救い、イラク北部におけるコレラ感染の流行拡大を食い止めるため、全力を尽していることを表明している。

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( 翻訳者:中谷登紀子 )
( 記事ID:11844 )