元CIA職員、イラク攻撃前にブッシュ大統領がイラクに大量破壊兵器はないとする報告を受けていたと暴露
2007年09月08日付 Al-Ahram 紙

■ブッシュ大統領、イラクに大量破壊兵器はないという情報を隠蔽
■サッダーム政権の外相がイラク攻撃前にCIAに機密情報を売っていた
■対イラク戦争の戦費は毎月120億ドル

【ワシントン:フダー・タウフィーク、アースィム・アブドゥルハーリク、バグダード:ムハンマド・アル=アンワル】

アメリカ中央情報局(CIA)の元大物諜報部員 2名が、ブッシュ大統領は戦争前にイラクに大量破壊兵器がないことを確実に知っていたと暴露したことで、ブッシュ政権がイラク侵攻を正当化するために一連の虚偽を意図的に広めていたことが確かめられた。

匿名の両氏はメディアにあてた声明で、ブッシュ大統領はCIAが提出した信頼できるその情報を拒絶し、その後全ての公式文書からも抹消されて、議会や米軍司令部、イギリス政府にも報告されなかったと指摘した。両氏によれば、情報の出所は当時のイラク外相で、サッダーム・フセイン元イラク大統領の数少ない側近の一人だったナージー・サブリーだという。

 アメリカとフランスの諜報機関が数十万ドルを投じてサブリー元外相から重要情報を得、そのうち20万ドル以上をCIAが提供したが、当時のCIA長官、ジョージ・テネットは、サブリー外相から得た情報をコリン・パウエル前国務長官に報告しなかった。

またブッシュ大統領がサブリー外相の情報を拒否したものの、CIA職員はサブリー元外相の全発言の調査を続け、フランス側も彼の電話の会話内容を全て盗聴し、ワシントンにその録音テープを提出していたという。

二人は集めた事実とは逆になるように国家情報報告書の内容を改ざんしたとCIAの上層部に疑惑の目を向け、またブッシュ政権の目的はフセイン大統領が大量破壊兵器を所持していると証明することにあり、それを否定する情報を無視したと非難した。

一方でホワイトハウスの上級スタッフであるジョンソン・ボルトン氏は、イラク駐留米軍のペトレイアス司令官が大統領に対し、来年初めには4千人程度の兵力をイラクから削減できる可能性があると提案したことを明らかにした。

 同じ頃AFPは、イラクにおける過去四年間のアメリカ軍の損害について、侵攻が始まって以来の米軍兵士の死者数は3742人、負傷者は2万7776人に上り、同様に侵攻が始まって以降殺されたイラク市民の数は、7万から15万の間だと報じた。アメリカ議会が行った去年の調査では、イラク市民の死者数はおよそ65万5000人と推定されている。

またAFPによれば戦費は4500億ドルに上り、毎月120億ドルの出費に相当するという。また過去24時間に8名の米兵が死亡している。

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( 翻訳者:平寛多朗 )
( 記事ID:11870 )