アンカラ、災難回避!
2001年9月11日の米国でのテロと1980年9月12日のクーデターにあわせてアンカラ警察が特別警戒態勢をとる中、クルトゥルシュの立体駐車場で580kgの爆発物を積んだミニバスを発見した。
警察は、2001年9月11日の米国でのテロと1980年9月12日のクーデターにあわせてアンカラで警戒態勢を強める中、首都の大災難を回避した。爆発物探知犬のロッキーとマスケの手柄により、クルトゥルシュの立体駐車場で行われた捜索で、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウムとTNT火薬からなる 580kgの爆発物を積んだミニバスが発見された。
アンカラ知事は、この爆弾を積んだ車輌にあった原料が、PKKに対して行った2件の他の捜索活動で入手した原料と重なると報じた。爆弾の専門家らが無力化した爆発物の原料に関して、テロ組織アル=カイダとのつながりも調査され始めた。
■爆弾捜索
警察は、大規模な対策の一環として、9月10日の深夜から首都の5箇所の入り口で外国ナンバーや疑わしい車輌に対して検問を行った。警官隊はアンカラ警察本部のエルジュメント・ユルマズ本部長の命令で駐車場の車輌について爆発物の捜索を始めた。アンカラ警察本部と警察庁(EGM)が6頭の爆弾専門の探知犬を使用して行った捜索で、まずマルテペ立体駐車場で爆弾警報が出された。不審な車輌は捜索により問題のないことが明らかになった。
爆発物探知犬のロッキーとマスケにより、08:30 頃にクルトゥルシュの立体駐車場の1階(訳注:日本では2階)にある、06 VMP 11 のナンバープレートのついた青のメルセデス車「ヴィトー」のミニバスに爆弾があることが確認された。ナンバープレートは「シャーヒン」車(訳注:トルコの国産車の車種)に属し、実業家の車(所有者名は秘匿)であるが、その人物の車は昨年、イスタンブルのキュチュクチェクメジェで盗難されたことが確認されており、ナンバープレートの所有者が一昨日(10日)、警察に盗難の申請をしたことが報告されている。
爆弾専門家らは、車輌の底に固定された580kgのTNT火薬の塊の上に、植物からできた大小さまざまの袋の中に入れられた硝酸アンモニウムと硝酸ナトリウムからなる肥料が置かれており、これらの周囲にはブタンガスボンベ24個が取り付けられていたことが明らかになった。同時に、爆発物の破壊力増強のためガソリンで一杯のドラム缶が設置されていたという。この爆発物で、起爆装置の発火を促す携帯電話3個が発見された。
この間、捜索を実施したユルマズ本部長は、コレジ―スヒイェ地区の全ての道路で通行を遮断し、駐車場の後ろの、通り2つ分先までのアパートや事業所から退去するよう命じた。駐車場の近くの地区の市場と、駐車場の反対側にあるクルトゥルシュ結婚登記所での式は一時中断された。
■ジャマーにより妨害
爆弾の専門家らは、信号妨害ジャマーを使い、まず携帯電話を使って爆弾が爆発する可能性を封じた。それに続いて12:00頃に全ての機械装置を無化した。上部を船員用のハンモックで覆われたミニバスは、レッカー車にのせられ、機械装置と爆発物と、そして指紋調査のためにギョルバシュにある警察庁の本庁に送られた。
駐車場の警備員は、一昨晩(10日)の20:40頃に車を持ってきた人物が彼に「市場に商品を持ってきた」と話していたと語った。
晩に行われたアンカラ知事の書面による発表では、入手された爆発物、携帯電話の機種や機械装置の設置状況、それらが起爆装置として使用されていたこと、Shfer社製電気雷管、青色をしたカルテックス製爆発物とガスボンベ24個が、2005年5月3日にメルスィンで、2006年5月5日にシュルナクのウルデレ郡で、PKKに対する捜索作戦の際に入手された原料と重なるところがあると述べられた。
ANKA通信社は、爆弾を積んだ車輌のターゲットは在アンカラアメリカ合衆国大使館の建物であったと報じた。同社の報道によれば、爆破活動は、9月11日のテロ攻撃にあわせて実行の予定であった。外交筋はこの説を認めることを避けた。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:11884 )