エジプトからイタリアへの不法移民をリビア当局が摘発
2007年09月13日付 Al-Ahram 紙
■ある不法移民:「生活が苦しくてこれまで4回失敗したが諦めない!」
2007年09月13日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【トリポリ:サイード・アル=ガリーブ】
危険で保証もなく、たいていは悲劇的な結末を迎えることになる旅路にもかかわらず、富への夢と希望を捨てきれなかった235人のエジプト人不法移民が犯罪組織の餌食にされた。地中海を越えてのイタリア行きを組織にそそのかされた彼らは、一連の不法移民対策を実行中のリビア当局によって逮捕されたのである。
そのうちの一人でアスユート出身のイマード・ギルギスと名乗る男は、「これでイタリア行きに失敗したのは4度目。その度に1万から1万2000エジプト・ポンド(=20万円強)を支払った」と語る。
なぜイタリアにこだわるのかとの質問に対しては、「生活が苦しく、仕事もない。それに近所の何人かがローマに渡って働き、大金を家族に送っているのを見たのが、危険だらけのこんな選択をした一番の理由だ」と言う。
彼によれば、不法移民の多くが旅を生き延びることが出来る確率はわずかだと確信しているにもかかわらず、夢をあきらめられずにいる。彼自身もこれまで何度も同じ夢を生きてきたという。「他に手はないんだ!」
リビアの首都トリポリのエジプト領事をつとめるアドハム・ヒラール氏は本紙の取材に対し、「彼らが逮捕されたのは、チュニジア国境に近いハクル・アル=ブーリー周辺の二箇所で、ひとつは沖合いのズアーラ、もう一箇所はカラーマで出航のために集まっているところだった」と語った。
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( 翻訳者:山本薫 )
( 記事ID:11892 )