アリーシュ空港で足止めのパレスチナ人らが抗議、空港の器物を破壊
2007年09月04日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ 怒ったパレスチナ人らがアリーシュ空港のドアを破壊
■ イスラエルのガザ地区侵攻に対してパレスチナ勢力が警告
2007年09月04日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ガザ:アシュラフ・アル=ハウル本紙記者、アリーシュ:ロイター】
シナイ半島北部のエジプトの治安関係者によれば、アリーシュ空港で足止めされているパレスチナ人旅行者らが、同空港の到着ロビーにある窓ガラスやドア、ベンチを叩き壊した。2ヶ月も足止めされていることに対する抗議であった。
情報筋によれば、足止めされているパレスチナ人らは抗議の意を表して衣服を脱いだ後、空港ロビーから出ようと試み、警察が阻止しようとしたことから双方の間に衝突が発生した。また同筋は、双方のつかみ合いによって軽傷者が出、足止めされたパレスチナ人らはもう少しで空港のドアから出るところであったが、エジプト警察が空港内を制圧することに成功した、と述べた。
衝突は、8月23日にも警官と足止めされているパレスチナ人との間で発生している。このときはラマダーン月が近づいたため、エジプト人警官らが足止めされているパレスチナ人らに対してエジプト医師組合人道援助委員会から提供された支援物資を配布していたところ、これらの支援物資が配布されるということは足止めがラマダーン月まで続くことを意味すると確信したパレスチナ人らが激高した。アリーシュ空港にいる39人ほどのパレスチナ人旅行者は、アラブその他の国々からカイロ国際空港やエジプトの港を経由してやってきたが、エジプトの入国ビザは持っておらず、ガザ地区へ戻る途中であった。アリーシュ空港で足止めされているパレスチナ人らは、治安上の理由によってイスラエルから指名手配を受けているため拘束されることを恐れ、イスラエル領内を経由してガザ地区へ戻ることを拒否している。
一方、パレスチナの複数の組織は昨日、イスラエルがガザ地区に対して広範囲の軍事作戦を実施すると威嚇していることの危険性について、占領軍がガザ地区への侵攻を意図しているとの情報がリークされたことを受けて、警告を発した。イスラーム・ジハードはイスラエルの威嚇が事実である恐れがあると警告した。イスラーム・ジハードの幹部であるナーフィズ・アッザームは本紙が写しを入手したメディア向け声明において、「シオニストの占領政策は常にパレスチナ人民に対する脅迫や強硬姿勢に基づいている」「イスラエルはいかなる和平構想にも従わない。イスラエルは和平に関心などないのだから」と強調した。
他方、ファタハの軍事部門アル=アクサー軍団の幹部であるアブルムンタシル・ウマルは、もしイスラエルがガザ地区侵攻を試みるなら、イスラエルに「暗黒の日」が訪れると警告した。
現地の新聞はこちら
( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:11900 )