米国内報道「イスラエルのシリア領空侵犯はイランからの武器を狙ったもの」
2007年09月12日付 Al-Nahar 紙
■ アメリカ政府「イスラエルはシリアの武器の積荷を狙っていた」
■ シリア・サウジアラビア間の関係緊張、ムアッリム外相のサウジ訪問中止
2007年09月12日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【AFP、ロイター、AP、UPI、MENA】
先週水曜(5日)から木曜未明のイスラエル軍戦闘機によるシリア領空侵犯の真相が、徐々に明らかになってきた。イスラエル当局はコメントを控えていたが、米当局は、シリアに対するイスラエル軍戦闘機による空襲の目的は、レバノンのヒズブッラーへの援助をやめるようシリアにメッセージを発するためであったと明らかにした。一方、米メディアの報道は、イランからシリア、あるいはシリアからヒズブッラーへ輸送される武器の積荷が狙いであったとの見方を示している。この展開を受けて、イスラエル軍はシリアとの国境に沿って最高レベルの厳戒態勢を敷いた。
一方、昨日予定されていたシリアのワリード・アル=ムアッリム外相のサウジアラビア訪問についてサウジアラビアとシリアの政府が否定し、両国の関係は一層複雑化している。
米国防総省(ペンタゴン)の高官は匿名希望で、イスラエルによるシリア領空侵犯について「大規模の空襲ではなく、素早いものであった。イスラエル軍機はシリア地上からの対空砲火にさらされ、装備を投下して退去した」と述べた。
同高官はこの空襲の目的を定かにしなかったが、「米軍はその目的がシリアへメッセージを発することであったと考えている」「イスラエルはシリアに対して、レバノンのヒズブッラーを支援するな、と言おうとしているのだ」と述べた。
アメリカのCNNテレビは米軍および米当局筋の話として、イスラエルによる空襲の目的が武器の積荷であったと伝えた。CNNのクリスチャン・アマンプール上級記者は「複数の情報筋によれば、イスラエルは実際にシリア領に対して空襲を仕掛けた。イスラエル陸軍との協力のもとに行われた可能性もある」と述べ、この襲撃の目的は「シリアへ送られていた、あるいはシリアを経由してイランからヒズブッラーへ運ばれていた武器である」と見られると述べた。
これらの情報筋によると、空襲を仕掛けたイスラエル軍戦闘機がシリア国内の「砂漠に大きな穴を残した」という。
米当局および軍の複数の消息筋はCNNに対し、今回空襲が発生して満足している、なぜならイスラエルは必要に応じて出入りし攻撃を仕掛ける能力があることを、イラン・シリア両国に伝えられたからである、と述べた。
(中略)
■ ムアッリム外相の訪問キャンセル
他方、シリア・サウジアラビア関係は、予定されていたシリアのワリード・アル=ムアッリム外相によるサウジアラビア訪問のキャンセルが発表されてからますます緊張が高まっている。
サウジアラビアの複数の情報筋が、訪問は昨日予定されていたもので、その目的は緊張関係に歯止めをかけることであったと述べた後、リヤド駐在のアラブ国家の大使は訪問がキャンセルされたことを伝えた。その理由については言及されていない。
(後略)
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( 翻訳者:千鳥伊久美 )
( 記事ID:11924 )