シリア外相がトルコ訪問、イスラエル軍機の領空侵犯について協議
2007年09月10日付 Al-Nahar 紙
■ ムアッリム外相、アンカラを訪問 トルコはイスラエルに情報提出を要求
2007年09月10日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【AFP、ロイター、MENA、AP、UPI】
イスラエル軍戦闘機がシリア北東部のトルコ国境付近で領空を侵犯し、これに対して対空砲による反撃を行ったとシリア政府が発表してから4日後、シリアのワリード・アル=ムアッリム外相はアンカラを訪問した。イスラエルの領空侵犯について協議を行う予定である。一方トルコ政府は、シリア国境付近のトルコ領内で発見された燃料タンクについての情報をイスラエルに要求した。イスラエル側は事件について沈黙を守っており、エフード・オルメルト首相は、イスラエルの民衆に対して常に持ち札を晒すわけにはいかないと述べた。
ムアッリム外相はアンカラ到着の直後、シリアはイスラエルが行ったり計画したりするいかなる侵略も阻止すると強調し、「我々の側としては常に、最優先事項として包括的和平の実現に向けた努力を続けるが、同時に、イスラエルが計画するいかなる侵略に対しても自らを防衛する準備が出来ている」と述べた。またトルコ訪問の目的について質問されると、「両国間の関係を強化、発展させるために行ったものである」と答えた。
イスラエル軍戦闘機のシリア領空侵犯による緊張についてアンカラでの協議では取り上げられるのかとの質問に対しては、ムアッリム外相は「シリアとトルコの間には相互の信頼関係がある。今回の件に関しては我々の発表したことが事実であり、トルコもそれが事実であると認識している」と答えた。
次に、「アブドゥッラー・ギュル氏がトルコ大統領に就任したことで、同氏がシリアとイスラエルの仲介に果たしていた役割に影響が出るのか」という質問に対しては、「ギュル氏がこの件に関して払ってきた努力をダマスカスは評価しているが、トルコの内政に介入することはできない」と述べ、イスラエルとの仲介の権限を大統領に移管するか引き続き外務省の所管とするのかについては、トルコ側のみが決定する事項であるとの立場を示した。
(後略)
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( 翻訳者:小林洋子 )
( 記事ID:11932 )