大統領夫妻を出迎えた司令官、儀礼に則らず
2007年09月20日付 Radikal 紙

アンカラ駐屯司令官アスラン・ギュネル陸軍中将は、北キプロス・トルコ共和国から帰国したギュル大統領出迎えの際、ハイリュンニサ夫人を見ると儀礼を無視。「誤解しないで欲しい」と話すが、北キプロスでも大統領夫妻を見送った軍関係者はいなかった。

「ファースト・レディ」ハイリュンニサ・ギュル大統領夫人が国の儀式に参加することに対してトルコ軍がもつ反発は、アブドゥッラー・ギュル大統領が北キプロスから帰国した際に露骨に明らかになった。アンカラ駐屯司令官および第4師団司令官であるアスラン・ギュネル陸軍中将は、大統領が夫人と共に飛行機から降りてくるのを見るや出迎えの列から離れ、反対側から挨拶した。会見場へ入る際、ギュネル中将と話す大統領の表情は硬かったが、ギュネル中将は「やったことは間違っていない。誤った解釈をしないように」と話した。

ギュル大統領の北キプロス訪問中、キプロス・トルコ平和軍司令官ハイリ・クブルコール陸軍中将の、ハイリュンニサ・ギュル夫人とは同席しないという態度は昨日もみうけられた。午前中にギュル大統領の訪問を受けたクブルコール中将は、会議のためアンカラの参謀本部へ向かうことを口実に、エルジャン空港で大統領を見送りには来なかった。見送ったのは北キプロスのメフメト・アリ・タラト大統領とオヤ夫人であったが、一昨日同様に昨日も側近ら以外の軍関係者の姿は空港にはなかった。軍部は一昨日、メフメト・アリ・タラト大統領夫妻がギュル大統領夫妻を官邸に招いたレセプションにも参加しなかった。軍が参加する行事の際は、ハイリュンニサ夫人のために別の行事を用意していた。

■軍隊式儀式による出迎え

ギュル大統領の乗った飛行機は昨日14時45分にアンカラのエセンボア空港に到着。軍隊式出迎えの儀式のため、トルコ国民議会(TBMM)キョクサル・トプタン議長とサイメ夫人、ムスタファ・イセン大統領府首席事務官、ケマル・オナルアンカラ知事、第4師団司令官・駐屯司令官アスラン・ギュネル陸軍中将、メリフ・ギョクチェキ・アンカラ市長など各官僚らが整列し、大統領の到着を待った。

■こわばった表情の大統領

機体からハイリュンニサ夫人と共に降りてきたギュル大統領が出迎えの参列者たちの手を握り挨拶し始めたとき、赤絨毯の右側にいたギュネル中将は、皆の前で絨毯の上を通り、護衛の武官や側近たちのいる反対側へ移動した。サイメ・キョクサル議長夫人から花束を受け取っていたハイリュンニサ夫人はこれに気づかなかったが、ギュル大統領はこわばった表情をしていた。出迎えの参列者との握手を終えたのち、大統領はマスコミとの会見を行うためVIPサロンへ向かったが、大統領に軍隊式の挨拶をしたギュネル中将も彼に同行した。両者がそこで話をしている姿が注目された。

■「誤った解釈をしないように」

ギュネル中将は今回の振る舞いについて以下のように説明している。「私は軍の分隊(註・ここでは出迎えの際、左側にいた武官らをさす)と共にあらねばならないのです。規則には従う。それ以外の職務は別としても。規則には従う。とにかく手順を踏んでいるし、誤った解釈をしないでほしい。あなたたちの知らないやり方や決まりがあることもある。もちろんそれを知る機会もないわけだが。軍隊の前を通る時、そこにいる人は(要人を)エスコートするのだ。それを行ったまでだ。軍隊ではこれまで(同様な)出迎えや見送りも行われてきた。だがあなた方はそれを見たことがないだけだ。つまり今回のことに特殊なことは何もない。深読みしないでほしい」
報道官によると大統領が国外から帰国する際は、駐屯司令官は赤絨毯の右側に参列し、大統領へ軍式の挨拶および握手をするという。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:11968 )