対テロ闘争高等委員会(TMYK)は、「関係機関・組織に越境作戦も含む全ての措置のために必要な命令が出された」と発表した。エルドアン首相は「国会から権限を得ます」と述べた。
テロ組織、クルド労働者党(PKK)の最近の攻撃を受けて、政府は北イラクへ越境作戦のために行動を開始した。レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が長を務める対テロ闘争高等委員会の会合で、越境作戦のためにトルコ大国民議会(TBMM)に決議案を提出することを始めとして、法的、政治的、経済的措置を講じる命令が出された。
クルド労働者党との闘争に関して講じられる新しい措置は、昨日(9日)、対テロ闘争高等委員会の会合で決定された。会合には同委員会のメンバーである大臣らと、軍警察総司令官ウシュク・コシャネル将軍、参謀本部副総長エルギン・サイグン将軍および官僚らが出席した。
■「クルド労働者党は国民の支持を失った」
会合後に行われた書面の声明では次のように述べられた。「最近の経済、社会、政治的発展に不安を感じ、国民の支持を失った組織が、流血のテロ行為を増やそうと画策していることが確認されました。そして国民の安寧と信頼と繁栄を増進する活動が、たゆまず続けられることが決定されました。
この取り組みはテロ組織の隣国におけるプレゼンスに終止符を打つことを目指しており、今後のプロセスにおいては、必要な場合には越境作戦を含めた法律、経済、政治的なあらゆる種類の措置をとること、そして、テロとテロリストに対し有効な方法を用いて断固として闘争を継続することについて、関係機関・組織に必要な命令と指示が出されました。」
■「越境が必要であれば越境する」
エルドアン首相は、対テロ闘争高等委員会後に会合を持った公正発展党(AKP)中央執行委員会(MYK)において、「クルド労働者党のテロと害悪からの解放を目指し、越境作戦のためにトルコ大国民議会から権限を得ます。我々はこの方向で準備しています。決議は国会を通過するでしょう。必要なものはなんでもすべての機関に与えようという気持ちでいます。(必要なものが)決議なら決議を、金銭なら金銭を投じます」と言ったと伝えられた。
エルドアン首相は更に会合の場で、目に涙をあふれさせながら、24時間で15人の殉職者が出ていると話したという。首相は「越境が必要であれば越境するでしょう。越境作戦の理由はすべてそろっています。我々のこの権利を非常に近いうちに使うことになるでしょう」と語ったと述べられた。
■「決議はバイラム後」
公正発展党会派の上層部筋によれば、「可能な限り短期間で決議案はできるでしょう。しかしこの通過はバイラムの後まで延びる可能性が非常に高い」とみられている。ヴェジディ・ギョニュル国防大臣は、新聞記者らの質問に対して「越境作戦のためには決議が必要です。しかし(自衛権行使の一環で)武力を伴う追跡を行うためには必要ありません」とのことである。
対テロ闘争高等委員会の会合では、越境作戦のためにトルコ大国民議会で決議の通過が必要という点で一致がみられる一方で、決議の内容は国際法に帰結させることが確認された。首相府、外務省、参謀本部に必要な法的・軍事的準備を整える命令が下された。
対テロ闘争高等委員会の会合の約2時間後の16:00に、アメリカ合衆国のアンカラ駐土大使であるロス・ウィルソンが外務省によばれた。エルトゥールル・アパカン外務省事務次官はウィルソン大使に、トルコはクルド労働者党との闘争に関して全ての措置を講じる決意を強調した。
この間、エルドアン首相とギュル大統領は本日(10日)12:00に会談を行うことが発表された。
■講じられる予定の措置
会合でトルコがテロとの闘争において以下の措置を断固として講じることが決定された。
•法的措置:決議案提出の命令が出された。
•政治的措置:まずアメリカ合衆国とイラクに、その後、欧州連合と国際連合に対しトルコがクルド労働者党のテロとの闘争において主権と国際法から発する諸権利を行使しなければならないことを再度説明する。
•経済措置:国境貿易の制限、ハブル国境門を閉鎖、イラクへの電気提供の停止、北イラクで活動するトルコ企業の召還等の裁可を含めた行動に関する活動計画を準備する。更に、講じられる全ての措置に関連して南東アナトリアで発生する損害の補填に向けて準備を行う。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:12119 )