英首相、イラク駐留軍の半数を来春までに撤退の意向
2007年10月09日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ ブラウン首相、イラクからのイギリス軍撤退を早める予定
■ 来春に部隊の半数帰国へ 2008年内に全ての部隊を帰還させるとの見通し
■ バグダードとサーマッラーにおける自爆攻撃で警官3人を含む20人死亡
2007年10月09日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【バグダード、ロンドン:本紙記者】
イギリスのゴードン・ブラウン首相は昨日、来春にイラク駐留イギリス軍兵力の半数を撤退させるという決断を示した。すなわち、駐留を継続する兵士の数は約2500人にまで減ることになる。
ブラウン首相の発表は首相官邸で開かれた定例記者会見の初めに行われた。官邸の外では、イギリス軍をイラクから全て即時撤退させるように求める大規模なデモが行われた。
観測筋は、ブラウン首相の今回の発表は、兵員約1,000人を今年末までに撤退させる意向を先週バグダードで発表したことを受けて冷却化しているアメリカとの関係がさらに悪化する原因となる可能性があるとの見方を示した。
また、外交政策に関する議会での初めての演説において、ブラウン首相はイギリス軍に協力したイラク人に対し、イギリス、イラク、ないし中東地域の他国への移住への資金援助を申請することを許可する計画を明らかにした。
6月にトニー・ブレア前首相から首相職を引き継いだブラウン首相がイギリス軍の撤退を早めることは、戦争に対する有権者の不満ゆえにブレア氏の人気が急落し、同氏の辞任を早めることにつながった後だけに、広く予想されていたことだった。今回の発表はイラク南部のターニングポイントになる。今後多国籍軍が市街地でパトロールを行うことはなくなるからである。しかしブラウン首相は議会に対して、イギリスの監督者としての役割は終わるわけではなく、補給線維持と国境監視の任務に従事することが可能になる」と述べた。また、「それはつまり、我々はイラク軍を支援することが可能な状況に身をおくことになり、また再度介入を行うことも可能な状況になる」と述べた。
(後略)
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( 翻訳者:金田雄一郎 )
( 記事ID:12167 )