対イラク越境軍事行動決議案、議会審議へ -承認しても不要になる可能性も?
2007年10月16日付 Hurriyet 紙
イラク北部への軍事行動を可能にする決議案が昨日政府によって議会へ提出された。一年間の時限の軍事行動決議案は明日、総会で審議される。チチェキ副首相は、「最も望ましいことはこの決議案(の内容)が行使される可能性がないということだ。必要ないことを願う」と述べた。
閣議は、昨日五時間半に及んだ討議の後、イラク北部に軍事行動実行の可能性を生む決議案をトルコ大国民議会(TBMM)に提出した。一年間の「越境作戦」決議案では、対象を「イラク北部地域とその隣接域」として提出されたことは、「クルド労働者党(PKK)がどこであれそこまで出向く決議案」との解釈を生んだ。
■ ハーシミーイラク副大統領が来土
トルコ大国民議会(TBMM)で明日に非公開で実施が計画される決議案審議を前に、ターリク・アル=ハーシミーイラク副大統領は今日アンカラに緊急訪問を行う。ハーシミー副大統領は突然の訪問に際し、アブドゥッラー・ギュル大統領と(レジェプ・)タイイプ・エルドアン首相と会合し、軍事行動へのイラク政府の反対の意向を述べる予定だ。
ジェミル・チチェキ副首相は、閣議の後に行った会見で、「まず、最も望ましいことはこの決議案(の内容)が行使される可能性がないということだ。われわれの願い、最も望んでいることはこのことである。必要ないことを願う」と述べた。
チチェキ副首相は、越境作戦を始める時期に関しての質問に、国家の関係機関と政府が密接な協力と接触をする中で決議案内の必要な案件を実施しようと返答をした。「クルド労働者党(PKK)はクルド民衆を代表していない」と述べたチチェキ副首相は、テロが経済へ与えるダメージは3千億ドルに及ぶと評価したことが注意を引いた。
■ 対象はPKKだけ
チチェキ副首相は、重要な一部の国の諜報組織によりそこここに潜伏していることが明らかにされたクルド労働者党PKKはトルコを不安定にさせ、発展をストップさせるための道具として使われていることも述べた。またアメリカ合衆国や欧州連合諸国がトルコを満足させる措置をとらないことにも注目し、「この決議案の対象は直接にはクルド労働者党PKKのテロ組織である。これ以外のいかなる層もこの対象でない。イラクに住む人々は我々の兄弟である」と述べた。
首相と大臣のサインとともに昨晩にトルコ大国民議会(TBMM)に送られた決議案では、トルコは「イラク北部に巣食うクルド労働者党PKKのテロ分子を原因とする深刻なテロ攻撃とあからさまの脅威に直面している」状態であると強調した。トルコのあらゆる警告も結果を生まなかったと言及された決議案では、軍事行動の期間と範囲を次のように定義した。
■ 決議案の内容
「トルコに向けたテロリストの攻撃と脅威に対し、反テロリズムとの闘いの一環として国際法の枠内で必要な措置を講ずるため、境界線、範囲、規模、期間が政府により明らかにされる形で、トルコ軍が、イラク北部から我国に向けた(テロ)分子の脅威や攻撃を排除することを目的として越境行動や干渉をおこなうため、イラクのクルド労働者党PKKのテロリストが巣食う北部とその隣接域に派遣され任務遂行することに、憲法第92条に則りトルコ大国民議会(TBMM)に一年間の許可を要請することが2007年10月15日の閣議で決定された。」
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( 翻訳者:大田垣綾子 )
( 記事ID:12172 )