レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、テロ組織PKKとの闘争で現在まで具体的な措置に踏み出さないイラクに対して、経済制裁を実施しうると述べた。
エルドアン首相は初めて明確に制裁に言及し、「トルコとして、わが国のイラクに向けたいくつかの輸出業務において今後制裁を実施しうる」と発表した。首相は、トルコはもはや堪忍袋の緒が切れたと述べ、「トルコ国会が承認した越境軍事行動権限はいつ何時でも行使することができる」と警告した。
イギリスを訪問したエルドアン首相は、昨日(23日)イギリスのブラウン首相とダウニング10番街(訳注:イギリスの首相官邸)で約1時間会談した。主にテロやトルコ-EU関係、キプロス問題といったテーマが取り上げられた会談に続いて、両首脳は新聞記者らの質問に答えた。
エルドアン首相は、アンカラのPKKとの闘争は政治・外交的局面を超えて事態は軍事的局面にあると指摘し、「この問題に関し、我が友好国はもう我々を理解するはずです。また、この期に及んではトルコはこのたび承認した法律を必要に応じて行使するということも認識しておいていただかねばなりません。もちろん今や我々は決定を下すべき事態にあります。永遠に待つことはできません。トルコ国会が承認した越境軍事行動の権限はいつ何時でも行使することができます。イラク政府はこれを知っておくべきです。この問題においてトルコは必要な一歩を踏みだします」と述べた。エルドアン首相は、ヨーロッパ内にPKKを支持する国があることに対する苛立ちを口にし、これらの国々に「敏感になってほしい」と呼びかけた。イギリスのブラウン首相は、「イラク国内から発生してトルコに向かい、トルコ国民の安全を脅かす勢力に対して行動を起こす時が来たことを認識しています」と述べ、PKKとの闘争においてアンカラを支持した。
エルドアン首相は、イギリスの実業家らとマンダリン・オリエンタル・ハイドパークで一堂に会し、そこでの講演で、「非常に率直に、明瞭に申し上げます。トルコとして、わが国のイラクに向けたいくつかの輸出業務において今後制裁を実施する可能性があります」と語った。同首相は、トルコがイラクに対して電気、水、食料の確保を行ってきたことを示し、「こうした必需品の全てを行った国に対するテロの脅威を取り除き、イラクの北部に軍隊を展開させることは(経済制裁実施か否かの)判断基準です」と話した。
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:12241 )