「サーレス」書店、治安維持軍公共地域局により封印される
2007年10月27日付 E'temad-e Melli 紙
期日までにカフェを撤去したにもかかわらず、サーレス書店は完全に封印された/写真:ホッジャト・セパフヴァンド(エッテマーデ・メッリー)
テヘランでもっとも重要とされるブックカフェを運営していた「サーレス」書店(キャリームハーン・ザンド通り沿い)が、公共地域局の警告に従ってカフェ部分を撤去したにもかかわらず、木曜日朝、封印処分を受けた。
数日前、治安維持軍公共地域局はテヘランのブックカフェに対して、72時間以内にブックカフェを撤去するよう警告を与えていた。この警告には、ブックカフェの問題として「他業種への干渉行為」が指摘されていた。
ブックカフェ側はこの警告を受けた後、問題の解決に向けた協議・検討を開始し、出版社組合とテヘランの各書店もこの件について調査を行っていた。その結果、出版社組合はブックカフェの運営者らを呼び出し、書店としての営業を続けるためにカフェ部分を閉めることで、彼らと合意した。出版社組合はまた検討を続けた上で、公共地域局に対して、書面にて「他業種への干渉行為」という問題が解決したことを表明した。
この書面は水曜日にも公共地域局に送付されたが、それにもかかわらず、木曜日の朝捜査員らがサーレス書店に立ち入り、同書店を封印した。
サーレス書店に対する封印処分は、警告を受けたその他のテヘランの書店にも封印が行われるのではないかとの憶測を呼んだが、エッテマーデ・メッリー紙記者が各書店に対して営業終了時刻に問い合わせたところ、封印処分を受けたのはサーレス書店だけであったことが判明した。
水曜日からカフェ部分を撤去した「ケターベ・ロウシャン」書店(サミーイェ通り沿い)が語ったところによると、捜査員が書店に立ち入った事実はないとのことであった。他方、ファーテミー通りとヴァリー・アスル通りの交差点にある「バドラゲイェ・ジャーヴィーダーン」書店のケースは興味深いものであった。この書店は、約2ヶ月前にすでに、「他業種への干渉行為」を理由に封印されたことがあったが、同書店の経営者らの二週間にわたる努力の結果、封印は解かれたという。しかしその後も、同書店に併設されたカフェ部分は営業停止処分となり、さらに同書店の上階にあったカフェも閉店となったとのことである。
現在封印処分を受けたのはサーレス書店だけであるが、しかしこの事件は文化関係者らの間でさまざまな不安を引き起こしている。また、この事件は海外のメディア・通信社でも取り上げられており、このような出来事は国際世論における文化国家としてのイランのイメージを損なうことが懸念される。
このような中伝えられたところによると、サーレス書店に対する封印の解除と他の書店が抱える問題の解決に向けた努力が続けられており、テヘランの同業者組合の責任者らの一部も、この件をめぐって動き始めているという。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:12272 )