クルド自治政府が自己防衛の意思を表明 フセイン元大統領の遺書公開
2007年10月20日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ 故サッダーム・フセイン元大統領の遺書を本紙が入手「犠牲に身を捧げよう」
■ バルザーニー大統領、対決の準備ができていると発表 アメリカは軍事介入を示唆
■ マーリキー政権の副首相暗殺未遂 アメリカ軍兵士1人死亡、死者数の総計3822人に
2007年10月20日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【バグダード:本紙】
イラクのクルディスタン自治区大統領府は金曜、クルディスタン労働者党員を掃討するという口実でのトルコからのあらゆる攻撃に対し、自己防衛する準備ができていると明言した。マスウード・アル=バルザーニー大統領の官房から出された声明は「クルディスタン自治区はクルディスタン労働者党員を支援しているとの非難を断固として拒否する。(…)我々は戦闘や暴力を支持しない。もし両勢力が平和的解決の道を選ぶならば、惜しみなく協力する準備がある」と述べ、「もしトルコ側が戦争に固執するのならば、我々はその当事者とはならないし、巻き込まれることを拒否する」と付け加えた。
さらに声明は、「我々は、ここ数年間の試みによりこの問題が戦争という手段では解決しないことがすでに証明されていると考えている。しかし同時に我々は全世界に発表したい。クルディスタン地域、またクルディスタン自治区という試みがいかなる口実の下であれ攻撃にさらされるのであれば、我々の我々の民主主義的試みとクルド民族の尊厳、また祖国の神聖性とを守るためのあらゆる準備が我々にはできているということを」と述べている。
他方アメリカのロバート・ゲーツ国防長官は木曜、さらなる情報が得られれば、アメリカ軍とイラク軍はイラク北部のトルコ国籍クルド人反乱勢力に対して行動を起こす用意があるとほのめかした。
ゲーツ長官は「具体的な情報が集まれば我々はイラク軍と共に適切な行動をとる準備がある。またトルコ国内のクルド人反乱勢力の情報が得られれば、トルコにその情報を提供する」と述べた。
また時を同じくして、イラクのバルハム・サーリフ副首相を護衛する車列がバグダード北部のアズィーム地区で武装集団の攻撃に遭った。関係筋によると激しい戦闘が1時間半以上続いた後にイラク軍部隊が介入し、護衛隊のメンバー1人が死亡、もう1人が負傷したとのことである。
これに関連して、バグダード大学監査実行局のムハンマド・カーズィム・アル=アタービー前局長が、正体不明の武装集団によりバグダード東部の自宅から拉致された数時間後に暗殺された。
また軍の声明によると金曜、アメリカ軍の隊列を狙った攻撃によりアメリカ軍兵士1人が死亡、1人が負傷した。2003年3月のイラクにおけるアメリカ軍の作戦開始以来殺害されたアメリカ軍兵士の数は3822人に上っている。
他方、クドゥス・アラビー紙は故サッダーム・フセイン元大統領の遺書を入手した。その中でフセイン元大統領は自身を犠牲として祖国に捧げると述べ、イラク国民に対し敵意を忘れ、イラクを攻撃した国家の国民を憎まないよう呼びかけている。
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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:12275 )