PKKへの報復を口実にしたクルド系市民へのテロ、激増
2007年10月28日付 Radikal 紙

ハッキャーリ県ダールジャで12名の兵士が殉職したことを受けて始まった「テロを怨嗟する活動」はある場所では「テロのテロ」という状態となった。ダールジャで殉教者をだしたブルサで生じていることは危険な状況を呈している。

トルコの豊かで近代的な都市であるブルサにやってきた人を、市中心部で「聖職者が亡くなった。人々はキリスト教徒になった。フラント(・ディンク)が亡くなった、人々はアルメニア人となった。10日で40名をわれわれは失った。人々はトルコ人になれなかった。われわれみなトルコ人である、われわれは兵士である」と「愛せ、もしくは出てけ」とのプラカードが出迎える。ほぼすべての建物、自動車、ミニバス、バス、学校送迎車にはトルコ国旗、殉教者のポスターが飾られている。ブルサに22店舗あるシャイパストアでも同様である。

シャイパのアルトパルマックやチャルシャンバ所在の店舗に殉教者の一報が届いた日、何千人もが襲撃した。ストアは投石され、荒らされた。襲撃のすぐ後に地元紙に全ページ「テロにのろいを」との広告を載せ、ストアに旗を掲揚したシャイパは、82年間ブルサに食品業を営んでいるシャイル家が経営している。

■ 民族的なものではなく、商売上の心配

企業創設者はマルディン生まれのアブドゥッラフマーン・シャイルである。企業について「クルド労働者党PKKへ支援している」「(レイラ・)ザナと協力」との形でうわさが広まっていることを説明した経営組織メンバーのネジャティ・シャイルは、「われわれは、1925年以降ブルサで商売している家族経営の会社だ」と述べた。「家族以外に一切の協力関係はない。」この言葉を商工会議所の登録証を示し、証明している。

シャイパの渉外責任者ベディルハン・ボザイルは、「何年間も殉教した家族に食糧援助を行っている。何千ものトルコ国旗を配っている。しかし、このうわさも何年間も行われている」と話している。シャイパストアによると、うわさの元凶は「ブルサでの小売業における大きな競争」である。強奪に関連して8名が監視下に置かれた。

■ クルド人に「みなわれわれはトルコ人だ」とのポスター

ダールジャ襲撃が行われた10月21日と殉教者サーメット・サラチが埋葬された10月23日は、ブルサでクルド系の人々が経営している多くの店が襲撃にあった。オーナーがディヤルバクル出身の喫茶店もその一例である。

匿名を希望している喫茶店従業員は、「何千もの人だった。店の中に石の雨が降らされ始めた。『ブルサから出てけ』と叫んでいた。警察が阻止しなければ、多くの人間が亡くなっただろう」と述べた。

3日間店を閉めていた喫茶店は現在営業している。入り口に2つのトルコ国旗がつるされている。店内のアタテュルクの肖像画があるポスターには、「われわれはみなトルコ人である」と書いてある。同店舗のある地区である人物は、「連中は一軒一軒店を回り、国旗を渡している。『吊るさなければ、後のことを考えろよ』と脅迫している」と述べ、遠ざかった。

長い髪とイヤリングをしていることも「危険」である。長髪の若者は経験したことを以下のように説明する。「スローガンを投げかけやってきた。「サタニスト」と叫んでいた。罵り襲ってきた。逃れて友人の家に逃げ込んだ、そうでなかったらリンチにあっていただろう。」

アルトパルマック地区に集まるロックバーやカフェでも同じ様相を呈している。10月21日と23日は「60年代」という名のカフェテラスに高校生が大多数を占める群集がスローガンを呼びかけながら襲撃した。カフェのオーナーのオギュン・オズデンは壊されたガラスをはめさせる一方、「われわれが経験したことを誰も記事にしなかった、お国も聞き入れなかった」と述べ、説明し始めた。

「3歳の子供はベビーカーの中にいて、ドアの前にいた。そのため、とても心配させられた。『ブルサにサタニストをわれわれは望まない、コミュニストも望まない』と叫んでいた。私が左派であることを彼らは知っていた。店内に石が降り、一名の客が負傷した。襲撃者の中には女子学生、とても苦しいことだが、以前客であった若者たちも見かけた。「サタニスト」と叫んでまもなく、「チャンピオン、ブルサ」といい、喝采をおくっていた。監視下に置かれた者はいなかった。」

3年前、イスタンブルからブルサにきて、カフェを開いたオズデンは、「子供をイスタンブルに連れて行った。ブルサでは命の保障はない。仕事場を売って私も行くつもりだ」と述べた。アルトパルマックにあるすべてのバーやカフェでもトルコ国旗が掲揚されている。ロックバーではトルコナショナリストの曲が音量を上げている。オズデンは、「もはやクラブの場さえも『私は死ぬ、トルコのために』を演奏している」と語っている。

(後略)

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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:12278 )