アンタリヤの自然保護区でゴルフ場建設のため大規模森林伐採
2007年10月31日付 Milliyet 紙
アンタリヤのベレキ森林の観光地宣言をうけて、2年内に大規模森林伐採が行われた。この地域から50万本の木が消えた。
30年間にわたって緑化が進められてきたアンタリヤのベレキ森林で、この地域の観光地区宣言をうけて森林伐採が行われた。ベレキ森林ではゴルフ場のために50万本の木が伐採されたが、2年の間をおいてとられた2枚の写真が森林伐採の現状を露呈した。
ベレキ森林は1955年に砂丘と海岸の侵食を抑える目的で成立した。世界第2位を誇る良質な天然のイタリアカサマツの森林は、トルコでは最良のイタリアカサマツの種を育む森林であることが明らかになった。しか文化観光省は1984年にベレキ森林の観光地化を計画した。文化観光省が1990年以来この地を「観光地区」宣言したことで、23,000ドヌム(訳注:23k㎡)のベレキ森林の自然保護区が次々と観光地として割り当てられ、45軒のホテルが営業を開始した。ホテルの側には7つのゴルフ場が建設され、3つのゴルフ場が建設中だ。
■森林伐採に法の隠れ蓑
トルコ自然保護協会(TTKD) アンタリヤ支部のヘディエ・ギュンドュズ支部長は、この地域が「観光地域」宣言されたことで伐採を合法化する仕組みが作られたと主張し、次のように話した。「18,000ドヌム(訳注:18k㎡)にわたるイタリアカサマツの森林と、 5,000ドヌム(訳注:5k㎡)にわたるユーカリの森林がありました。60万から70万本の木がありましたがそのうち50万本が伐採されました。国民の反発を招かないために道路沿いに2、3列分の木が残されました。本格的な伐採はベレキ森林の奥深くで行われました。この地域には保護区が5つあります。にもかかわらずベレキ森林がある場所は観光地宣言がなされたのです。「保護森林」とは最も価値がある森林の一つであるということを意味します。憲法第169条によれば、森林は目的以外に使用することができません。観光用に割り当てられることはもともと憲法にかなっていません。この地域の海岸は海ガメの繁殖地です。さらに、同森林は国際的な渡り鳥の移動ルートとなっており、森林内とその近隣には固有の植物種が見られます。
観光地としての割り当てを無効にするために多くの訴訟が起こされました。アンタリヤ弁護士会が起こした訴訟の結果、憲法裁判所は2007年5月に『森林の土地は観光を目的として割り当ててはてはならない』という方向で判決を下しました。この決定にもかかわらず全速力で建設が続けられています。」
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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:12304 )