■　ライス国務長官、今秋の会議に向けてアッバース大統領に対しオルメルト首相の条件を了承させることに失敗　アル＝カーイダの西岸地区・ガザ地区支配を警告

2007年10月18日付クドゥス・アラビー紙（イギリス）HP1面

【ナザレ、ラーマッラー：本紙ズハイル・アンドラウス、ワリード・アワド】

　イスラエル・テレビの第２チャンネルは昨夕、イスラエル・パレスチナ間の交渉は、提起された諸問題においていかなる共通点を見出すこともなく失敗に終わったと報じた。

　イスラエル・テレビ局は、パレスチナ・イスラエル間の交渉は、アメリカのジョージ・ブッシュ大統領が呼びかけたアナポリス会議の前に立ち塞がる困難を克服することに失敗したと付け加えた。

　パレスチナのマフムード・アッバース大統領およびパレスチナ交渉担当スタッフとアメリカのコンドリーザ・ライス国務長官がラーマッラーにあるパレスチナ大統領府で昨日水曜日夜に行った会合は、国際会議開催に先立つ準備に関して、パレスチナ・イスラエル両者の見解のギャップを狭めることなく終了した。

　会談後に出す予定だった共同声明が取りやめられたことは、パレスチナ公式筋は取りやめの理由は技術的なものだと述べているにもかかわらず、両者の見解の違いの大きさを印象付けた。

　パレスチナ大統領府のナビール・アブー・ルデイナ報道官は、会談終了後に出した声明の中で、「パレスチナとイスラエルの見方の間には明確なギャップがある。我々は［最終的地位問題に関する］協議日程の提示と最終的地位問題の議論をあくまで求めているのに対して、イスラエルはそれを拒否している」と述べた。

　アブー・ルデイナ報道官は、「アッバース大統領およびパレスチナ交渉団とライス国務長官との会合は、ギャップを狭めるにはいたらず、両者の対立の深さが明らかになった。ライス国務長官は、我々にイスラエル側の主張を伝え、我々の立場に耳を傾けた。ギャップはまだ存在するので、彼女はより努力する必要がある」と明言した。

　パレスチナ筋によると、ライス国務長官はアッバース大統領に対して、協議日程を定めるという要求を諦め、48年ラインの内側への難民の帰還権を放棄するようにというイスラエル側の要求を提示した。アッバース大統領はこれを断固として拒否した。

　他方で、イスラエルのイディオット・アハロノート紙が昨日報じたところによると、ライス国務長官はイスラエル首脳とエジプトのムハンマド・ホスニー・ムバーラク大統領に対して、イスラエル・パレスチナ間の和平プロセスの停滞は、最終的にはウサーマ・ビン・ラーディン率いるアル＝カーイダによるヨルダン川西岸地区・ガザ地区支配につながるだろう、と警告した。

（後略）

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（ 翻訳者:新谷美央 ）
（ 記事ID:12308 )