米・トルコ・イラク三者外相会談は、めぼしい成果なし
2007年11月04日付 Milliyet 紙
イスタンブルで行われる「拡大イラク隣国諸国会談」に参加する米国務長官コンドリーザ・ライス、イラク外相ホシャール・ズィバーリー、トルコ外相アリ・ババジャンは、クルド労働者党(PKK)について三者外相会談を実施し、会談ではトルコの不快を取り去るような具体的な成果を得られなかった。トルコが計画している軍事攻撃について三者の姿勢は変わっていないことが明確にされた。軍事作戦について最終決定は11月5日にアメリカで実施するブッシュ・エルドアン会談後になされることが予想される。
イラク首相ヌーリー・アル=マーリキーは、二者会談を行ったレジェプ・タイイプ・エルドアン首相に、PKKに対し新たなプランが用いられること、この一環でテロ組織の全事務所が閉鎖されることを述べた。
外相会談では大臣の多くが、PKKのテロを非難する一方で、トルコに対し越境軍事作戦を行わないこと、問題をイラクとの外交手段で解決するよう呼びかけた。
(中略)
■ 10メートル毎に一人の警官配置
・ 17カ国から全部で23の使節団と330の代表部が参加した会議を報道するために、400の海外メディアを含むあわせて745のメディアが会場にいた。
・組織の欠陥が露呈された会議で新聞記者らのためにチュラーン宮殿の外に設けられたテント設営は会議が始まった後も終わっていなかった。
・ 早朝からチュラーン宮殿にいる外国の使節団、中に外交官を含む代表部、また新聞記者らに15時まで紅茶とコーヒーがふるまわれた。
・会議のために、朝方からバルバロス大通り、ベシュクタシ広場、オルタキョイに向かう主要道路とこの道路にでるすべての道が、会議参加者の通行の間、通行が停止された。
・ 会議のためボスフォラス海峡で大規模な安全対策がしかれた。終日、イスタンブルボスフォラスのチュラーン宮殿のあたりには3隻の海上警察船、2艘の沿岸警備ボートで周辺に絶えず非常線を張っていた。
・会議場ではエルドアン首相の右手側にイラクのマーリキー首相、左手側に国連事務総長の藩基文が着席した。
・会議のためベシュクタシ広場からオルタキョイまで向かう道のほぼ10メートル毎に1人警官が警備に当たっていた。
■ エルドアン首相の警告
・ エルドアン首相は、スピーチ原文にある「忘れてはならない、そう火の粉は落ちた場所だけを焼くのではない。われわれにふりかかるものは、われわれだけにふりかかるとして、短期的な利益によって動くのではなく、全体の安全と安定した環境を形成するために長期的な形で協力活動を行っていくことである」とのパラグラフの「忘れてはならない、そう火の粉は落ちた場所だけを焼くのではない」との一文を読まなかった。
・ 遅れたために朝の集合写真を撮らなかったライス長官は2回目の撮影には参加した。
・イラク内部での政治的和解を図るために、イラク政府の要望によって、バグダッドに「国連事務局」創設するとの提案に対し、イランとシリアが異議申し立てを行った。「国連支援部設立」との提案にも異議申し立てがあり、バグダッドに設置予定の国連使節の名称は結果報告書では「国連支援機関」とされた。
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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:12345 )