4年前の新生児取り違え発覚で議論に 血のつながった子ども? それとも育てた子ども?
2007年11月10日付 Milliyet 紙
著名人に「あなたがもし、4年前、病院で子どもを取り違えられたジュジェ家だったら、どうしますか?」と聞いてみた。
トルコでは、昨日(9日)、ミッリエト紙に掲載され、反響を呼んだニュースが話題になっている。サウジアラビアのとある病院で、出産の際に違う子どもを引き取ったことが分かり、悲劇に直面したフンダさん、ユスフさんのジュジェ夫妻は、4年後に実子アリくんを見つけると、大きな喜びに包まれた。しかし夫妻は、その一方で4年間本当の子どものように育ててきたヤークプくんをサウジアラビアの家族に引き渡すという危機に直面した。一方で、「ぼくのお母さんはあなただよ。僕を離さないで」と言って泣くヤークプくん、またもう一方で生まれた日からずっと本当の家族の代わりにサウジアラビア人一家を自分の家族だと思っているアリくん・・・
映画やドラマでもめったにみられないこの困難な出来事について、芸能界のスターに
聞いてみた。
「あなたがもしジュジェ家の立場だったら、どうしますか?」という質問に、有名人たちは次のように答えた。
■「私は子どもを返さないと思います」
「親族の絆を形成するものは、血のつながりではなく、体験してきたことと共有したことです。このため私は自分の子どもを生む代わりに、養子をとりました。私がジュジェ家の立場だったら、自分が育てた子どもを返さなかったと思います」
スィベル・アラシュ
■「自分の子どもです・・・」
「母親と父親にとって4年間面倒を見て育てた赤ん坊が、後になって自分たちの子どもではなかったと知ることはとても辛い状況です。しかし私がその家族なら、実子を引き取ると思います。相手の家族とも相談して、(育てた)子どもにも会い続けると思います」
ブルジュ・カラ
■「子どもを引き渡したと思います」
「私がその家族であったなら、4年間育てた子どもの家族を見つけ、実の父母に返すと思います。しかし4年間1人の子どもの面倒を見てその子の父親として接したなら、その子どもとのつながりや関係をすべて断ち切りはしないと思います。継続的に子どもを訪問するでしょう」
タメル・カラダール
■「とても難しい決定です」
「結果的に4~5歳になるまでその子どもを育て、母親、父親として接し、自分たちの子どもだと思っていたのです。ただ母親は実子も欲しいと思うでしょうね。アッラーが守ってくださいますように。私にこのようなことがおきたら、分かりません、とても難しい決断です」
エブル・シャッル
■「兄弟だと言います」
「まず、2人の子どもそれぞれに兄弟だと言うと思います。2つの家族が親戚のようになることを望んだと思います。
子どもたちを時々お互いに交換して、家族の絆や対話を強めたと思います。両家族ともに会いたいときに子どもたちに会えるようにしたと思います」
ケレム・アルシュク
■「育ての親が、子どもの親」
「私が育てた子どもは渡しません。もう1人の子どもとも会い、成長を見守ります。さらに相手の一家がくださるならば、そして私の経済状態が良ければ、相手方で育った子どもも引き取って育てます。
しかし(育てた)子どもは絶対に渡しません。考えてみてください、4年間面倒をみて、育てているのに、ある人が来て、これはあなたの娘じゃありませんと言うのです。血のつながりがなくても、その子は私の子どもです。子どもを産んで、その子どもを守らない母親がいるでしょうか」
イジラル・アイドゥン
■「共通の解決方法を見つけます」
子どものうちの1人は本当の家族で、もう1人は育てた家族です。どちらを選べば正しいかは人によって違います。私がこのような立場に置かれたら、子どもを渡したくありませんが、実子にも心が傾きます。両家のあいだで共同の解決方法を見つけることができると思います」
エムラフ
現地の新聞はこちら
サウジアラビアの産院で取り違えられたトルコ人とアラブ人の子ども、それぞれの家族へ
( 翻訳者:釘田遼香 )
( 記事ID:12406 )