中東産油国の活況がイスラエルの不安要因に
2007年11月06日付 Al-Ahram 紙

■ アラブ諸国の原油輸出高の天文学的数値がイスラエルの不安を煽っている!

2007年11月06日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【占領地エルサレム:諸通信社】

 国際通貨基金(IMF)の新たな報告で、11のアラブ・イスラーム諸国の原油輸出高が天文学的数値に上ることが分かった。このことは、中東の中心部に新たなパワーバランスが生じるとのイスラエル指導層の不安の原因となっている。そうなれば、イスラエルの生存自体が脅かされ、パレスチナとの平和合意への調印がこれら産油国との関係正常化のために避けて通れない道になるからだ。

IMF報告によると、これらの国々の2003年から2008年までの原油輸出の総額は4兆ドルに達し、今年だけでも7000億ドルに達している。さらに、原油価格が1バレル100ドルに達した場合には、この数字はさらに膨れ上がり、8500億ドルになるとみられる。

同年のイスラエルのGDP合計が1700億ドルであるから、アラブ・イスラーム諸国の原油輸出による収入はイスラエルのGDPの6倍に相当することになる。今年のサウジアラビアの原油輸出による収入は2500億ドルに達し、次いでアラブ首長国連邦が1800億ドル、イランの輸出高は1000億ドルと推計される。

 イスラエルのイディオット・アハロノート紙は、「こうした数字は無視し難い。なぜならそれは、『新しい中東』の形成につながるからだ。だがそれは、シモン・ペレスが夢見ているようなものにはならないだろう」と報じた。さらに同紙は、「現在、世界中がこれら産油国の扉を叩き、世界経済の行方を決定するメインプレイヤーにしている。これはイスラエルの役割を周辺に追いやり、中東問題への対処についてイスラエルに新たな戦略の模索を強いるものだ」とも論じている。

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( 翻訳者:金田雄一郎 )
( 記事ID:12441 )