イラク大統領のアラブ連盟訪問、対トルコ関係についての発言
2007年11月14日付 al-Sabah al-Jadid 紙
■ 大統領、クルドとの関係強化を呼びかけるトルコの提案を歓迎
2007年11月14日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HPイラク情勢面
【バグダード:イラクの声通信】
アル=タラバーニー大統領は、クルドを「兄弟」と呼び関係強化を呼びかけた、トルコのデニズ・バイカル共和人民党(CHP)党首による各種の提案を歓迎し、肯定的に評した。
大統領府声明によれば、火曜(13日)夕、カイロのアラブ連盟本部訪問に続いて行われた、アムル・ムーサー連盟事務局長との共同記者会見で、大統領は、「バイカル氏提案は肯定的なものであり、クルドを兄弟として関係促進を呼びかけている」と述べた。また、バイカル氏案の中には、友好と相互理解を深めるため、年間千名のクルド、トルクメン、アラブ人学生をトルコに招聘留学させるプログラムも含まれている事を示した。大統領は、アンカラのPUK支部代表に対し、「親愛なる友人」であるバイカル氏への感謝と友愛の気持をCHP本部宛てで示すよう指示した。
声明によれば、ムーサー氏は、このタラバーニー大統領の姿勢を、「イラク・トルコ関係における最も明白で力強いもの」と評した。また、「イラク政府は、アラブ連盟に対し、国境地帯の危機的状況の観測を要請しており、連盟本部での公式会合もそれに基づくもので、協議はこの1週間行われてきた」と述べ、イラク・トルコ二国間に現在見られる協力関係と、比較的平穏に行われている政治外交努力を連盟は支持すると強調した。
また、タラバーニー大統領は、イラクは、「武器を放棄し戦闘を止めテロ行為を行わないよう要請する以外」では、PKKと関りがなく、「エルドアン氏の政府への反対をスローガンとして行われる軍事活動は、クルドも含むイラク国民の利益に反するものとみなされる」、「国民に選出された民主的トルコ政府は、数々の実績をもたらしており、これらはあらゆる面でトルコ国民の利益となり、ひいては、イラク国民、アラブ・イスラム共同体の利益ともなると思われる」等述べた。
大統領は、アラブ連盟事務局長との二者会談を行い、イラクの各種の懸案事項、並びに国民和解促進のための共同事業について協議した。また、アラブ連盟に派遣されているアラブ諸国大使らと会見した。
タラバーニー大統領は、「連盟の活発な創立メンバーである我々は、アラブ連盟、アラブ世界でのイラクの役割を熱望している」、「兄弟国エジプトとのより良い関係を目指すイラクは、エジプトのイラクに関する立場が明らかになった今回の訪問により、その目的の幾つかを達成した」と述べた。
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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:12449 )