「歴史的遺構ではない」といったのは建築家だった!
2007年11月15日付 Milliyet 紙

イスタンブル広域市役所がスルタン・アフメト地区にある歴史遺構の上にレストランを建設している。このレストラン建設の建築家ヒルミ・シェナルプ氏は、「古い壁が歴史的遺構か否かは私が判断した」と述べた。

イスタンブル広域市役所がスルタン・アフメト地区にある歴史遺構の上にレストランを建設している。このレストランの建築家、ムハッレム・ヒルミ・シェナルプ氏は、「あの壁が歴史的遺構か否かは私が判断しました。『壁は取り壊します』と私が決めて、建築プロジェクトを設計したのです」と語った。シェナルプ氏は、間違いの原因は自分の設計したプロジェクトをイスタンブル広域市役所の文化・自然遺産保護委員会に諮らなかったことにあるとも主張した。
「歴史を埋める国」という見出しでミッリエト紙が一面記事で報じた不法修復建設プロジェクトの責任者シェナルプ氏が状況説明をした。シェナルプ氏は、破壊した壁に歴史的価値はなかったと主張し、次のように語った。

■1950年代につくられたもの

「問題の壁は、セメントと周辺から集められた石が積まれて作られたものでした。1918年に撮影された航空写真ではここに建物が建っているのが見えます。しかしその建築はここで我々が建設に関る前に立てられていた建物よりも幅の狭いものでした。我々の前にあった建物に使われた建材から理解したところによると、1950年代に建設されたと推測されます。この建物は1918年に撮影された航空写真で見える建物よりも幅広でした。推測するにオリジナルの建物は取り壊され、その場所に鉄筋コンクリート造の建物が建設され、そしてその後、その建物の前に古風な見た目の壁がつくられたのでしょう」

■委員会に諮られる必要があった
「壁に歴史的価値があるか否かを誰が判断したのか」と我々が質問すると、シェナルプ氏は、次のように話した。
「その壁が歴史遺構か否かについて私が判断しました。私の設計図でもその壁を描いていません。状況実測図は建設前にもともとあるものを確認して図面にします。修復段階では新たに建設するものが対象となります。私はその壁を取り除いたので、『同じ場所にあるジェゲコンドゥ(一夜住宅)と一緒に、オリジナルでない遺構も一掃される』と設計図面に書いたようです。それらは全て一掃され、廃棄されました。起こったことの本質はこういうことなのです。

『どの専門家が判断したのか』と言われていますが、適切なタイミングで委員会に照会されていれば、このようなことは起こらなかったのです。私の信用を傷つけるなんて誰もそんなことは気にしません」

シェナルプ氏は、唯一の間違いがプロジェクトが適切なタイミングで委員会に照会されなかったことで、これ以外には非はないと話した。プロジェクトが委員会に照会されず、そして委員会の判断がないまま施工会社に仕事を開始させたことが問いただされる必要があると述べた。

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( 翻訳者:山下王世 )
( 記事ID:12456 )