ブリジンスキー元米大統領補佐官:「サッダーム・フセインの処刑がアメリカをより安全にすることはない」(アル・アハラーム紙)
2007年01月02日付 Al-Ahram 紙
■ 侵攻開始以来、イラク国内でのアメリカ人の死者は3000人、負傷者2万2000人
■ サッダーム・フサイン処刑中の侮辱に対しワシントンとロンドンから怒りの声
2007年01月02日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ワシントン:諸通信社、バグダード、ムハンマド・アル=アンワル】
新年初日、アメリカ国民は、3年前の戦争開始以来のイラク国内におけるアメリカ人兵士の死者数が3000人に、同負傷者が2万2000人に達したという統計に目を見張った。
アメリカの情報筋は、12月は過去2年間で最も死者が多く、兵士111人が殺害されたと示した。ロイター通信は、今年度末にはイラクとアフガニスタンにおける戦費があわせて約5490億ドルに達すると見積もる。アメリカのジョージ・ブッシュ大統領は、亡くなった全ての兵士に哀悼の意を表したが、テロとの戦いには速やかな終わりはないと警告した。
時を同じくして、ズビグニュー・ブリジンスキー元国家安全保障担当大統領補佐官をはじめとするアメリカ政府高官は、サッダーム・フセインの処刑が完全にイラク政府のコントロール下で行われたというアメリカ政府とイラク政府の主張に疑念を示した。ブリジンスキー元補佐官は、アメリカ政府がある程度の責任を負うべきと見なし、「サッダーム・フセインの処刑がアメリカをより安全にすることはない」と述べた。
またロンドンから本紙のアブドゥッラフマーン・アル=サイイド特派員が伝えたところでは、米・英とイラク政府の間で大きな対立が持ち上がることが予想されると複数の英国紙が報じた。これはサッダーム・フサインが死刑執行中にシーア派の執行官から罵声を浴びせられ、その様子が携帯電話のカメラで撮影されたことが、米・英両政府の怒りを買ったためだ。
サッダーム・フサインの支持者数百人が、昨日、彼の出生地ティクリート近郊のアル=ダウルでデモを行い、ヨルダンではいくつかの職能組合が座り込みを組織し、サッダームの娘であるラガドも参加した。
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( 翻訳者:鳥居洋介 )
( 記事ID:4326 )