ファーティフ・アクン監督の兵役拒否発言の背景
2007年11月19日付 Milliyet 紙

ファーティフ・アクン監督は、最新作『人生の岸辺で(The Edge of Heaven)』のロンドンにおけるガラ上映で話し、以前語ったトルコで兵役には就かないだろうという発言を肯定した。

アクン監督は、『壁に向かって(邦題『愛より強く』)』で金熊賞を受賞し、『イスタンブル回想』というドキュメンタリーによって再度注目を集めているが、最新作『人生の岸辺で』のヨーロッパにおける宣伝活動を続けている。そして最後に、英国の首都ロンドンで同作品を紹介した。込み合うほど多くの観客が詰めかけたガラ上映の後に、作品と自身に関する観客からの質問に答えた。
同監督は、ある観客の「以前ある新聞に兵役には就きたくないとのコメントをなさいましたが、後にこの発言を和らげましたね。それはなぜですか?」という質問に対して、スイスのメディアに向けて行った件の発言のままであると答えた。

■「幾つかの映画館は作品の上映を望まなかった」
若い監督は、件の表現がスイスのメディアで報道され、トルコでも反響があったことに関して、トルコにいるプロデューサーから電話を受け、自身の用いた言葉が問題を引き起こしたことを伝えられたと語った。
同監督は、幾つかの映画館が作品の上映を拒否した後に、二回目のコメントがなされたと語った。そして「しかし、二回目の私の発言でも、実際ご覧になれば[お分かりでしょうが]、言ったのは同じことです。これは私にとって単なる紙一枚でしかありません。また問われるのであれば、また同じ事を言うまでです」と述べた。

■彼は何を言っていたのだろうか?
ファーティフ・アクン監督は、スイスのバーゼル新聞(Basler Zeitung)の文化特集におけるコメントで、次のように発言していた。
「私はトルコで兵役に就かなくてはなりません。しかしこれを望んではいません。強制があれば、国籍から離脱します。私は自分の手に武器を取るくらいなら、一枚の紙を放棄することをむしろ選びます。もちろん、この件は私のアイデンティティが私の手から奪われることを意味するものではありません」。

Tweet
シェア


現地の新聞はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:12492 )