憲法裁判所、議論に終止符 「国民投票は有効」
2007年11月28日付 Zaman 紙

大統領選挙の行き詰まりによって始まった国民投票プロセスに関する議論に終止符が打たれた。憲法裁判所は、共和人民党(CHP)と民主左派党(DSP)が10月21日実施の国民投票の無効を求めた請求を否決した。

こうして7ヶ月間、政治日程を込み合わせた議論は終了することになった。裁判所は、反対多数により無効請求を否決した。投票では、9人の裁判官が否決、2人が承認の票を投じた。この決定は、興味深い結果を生じさせることになった。裁判所は、第11代大統領選挙の過程では定足数を367議席とすることを主張したが、今回の決定では国民議会の定足数および最低投票数を184とすることに可能性を与えたことになった。

憲法裁判所長官代理のオスマン・アリフェッヤズ・パクスュト氏が、憲法裁判所の決定を発表した。パクスュト氏は、共和人民党と民主左派党の無効請求を反対多数で否決したと述べた。
パクスュト氏は最初に「憲法裁判所の職域外であるため、(無効請求の)申請を棄却しました」と述べた。
しかし職域外とした憲法裁判所の決定理由を受けて、高等選挙委員会(YSK)のムアッメル・アイドゥン委員長が高等選挙委員会に決定権があると説明すると、パクスュト氏は発言を訂正し、次のように述べた。
「憲法改正は、高等裁判所である憲法裁判所の職域に入ります。憲法裁判所は、憲法改正の監督を決められた形に従って行います。(今回の申請は)裁判というかたちで行われた調査の結果、違憲性がないことから否決となりました。職域に関する食い違いは問題にはなりませんでした」

27日(昨日)の会議では、記録担当のオスマン・ジャン氏が作成した文章が議論された。裁判官らは、憲法裁判所の職務と効力を定める第148条、ならびに憲法改正および国民投票参加を定める第175条の枠組みの中でこの問題について検討した。国民投票にかけられている憲法パッケージ(一括法案)を変更する権限がトルコ大国民議会の職域に入るか否かが論議された。その結果、憲法を変更する権限がトルコ大国民議会にあることが強調され、憲法裁判所は憲法改正を形式に従ってのみ調査することができると述べられた。トルコ大国民議会で承認された変更点は、形式(国民議会の定足数と最低得票数、緊急に議論されないこと)の観点から違憲ではないことが承認された。

国民投票へのプロセスは、4月の大統領選挙を行き詰らせた憲法裁判所の「376議席に関する決定」で始まった。公正発展党(AKP)は、大領領公選制をもり込んだ憲法パッケージ(一括法案)を祖国党(ANAP)の支持を得て議会を通過させた。第10代大統領のアフメト・ネジュデト・セゼル氏が拒否権を発動したため、憲法パッケージ(一括法案)は再度、大統領府に送られ、二度目も承認されなかったので、憲法で規定されているとおりに国民投票に持ち込まれた。この憲法パッケージ(一括法案)を無効とすべく訴訟をおこした共和人民党の要求は、憲法裁判所によって拒否された。7月22日の選挙の後、公正発展党は、民族主義者行動党の賛同を得て、アブドゥッラー・ギュル氏を第11代大統領に選出した。選挙の後、国民投票プロセスが継続する一方で、『第11代大統領』という表現が問題になると議論となったため、公正発展党は再度、民族主義者行動党の支持を得て、暫定的な条項を憲法パッケージ(一括法案)から削除した。

高等選挙委員会は、国境で投じられた不在者投票が原因で始まった論争に対し、1票差で国民投票プロセスの継続を決定した。これをうけて、共和人民党と民主左派党の114名の国会議員が、憲法パッケージ(一括法案)から暫定的な第18条および第19条が削除されたという理由で、国民投票の取り消しを憲法裁判所に改めて申請した。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:12543 )