駐アンカラ米国大使の朝食会、クルド問題に対する姿勢により区別
2007年11月29日付 Radikal 紙
ウィルソン米大使の朝食会に招待されなかった民主市民党(DTP)は反発を示した:「クルド問題の解決する場は議会である」「トルコは侮辱されている。」。招待されたクルド正義・自由党(HAK-PAR)と参加民主党(KADEP)へのDTPの非難:「新たに政治的模索がなされているのだ」。「テロを否定する政党は力を得てくるだろう」。
ウィルソン米大使が、民主市民党を除くクルド系の政治家らと一堂に会したことは、「アメリカがクルド問題解決に、従来とは異なる路線を取り始めた」との憶測を呼んだ。アメリカ議会メンバーがトルコと北イラクの国境地帯を視察することが、こうした招待が続くのではとの憶測を強めている。朝食会に招待されなかったDTPはこの会合に強く反発している。
アフメト・チュルクDTP党首は問題の解決を目指し提出した法案が拒否されたと述べ、「国際社会の場で孤立している」とも述べた。更に同氏は200万人が投票し、議会で議席を得た政党の考えが孤立することは正しいことではないと述べ、次のように述べた。「アメリカが知識人を朝食会に招待し、この問題の解決に努めることは、実際にはトルコに対する侮辱であり、議会への侮辱である。彼らはいったいなに様だというのか。この問題で議会を締め出し、自身がまるで問題を解決するつもりであるといったような態度で、皆に父親面をし、これを取りまとめようとする姿勢を示している。この態度は正しくない。」
チュルク党首は、トルコ政府と諸政党が問題の解決に、これといった対策がない状態で、アメリカはDTPを締め出し、何らかの模索(画策)をしているということを理解しなければならないと説明し、以下のように続けた。「本来ならトルコがこの問題について警告しなければならない。アメリカ大使がクルド人政党を朝食会に招待し、クルド問題について議論しているということを理解しなければならない。EU各国の大使も、アメリカに言われるままに、我々に呼びかけを行っている。我々は排他的なプロセスに直面している。」
■エルチ党首:招待はテロに反対している人々に
シェラフェッティン・エルチKADEP党首は、テロに反対する政党が会合(朝食会)に招待されたと述べ、「DTPはこの問題に関して態度を改めようとしなかった。テロと距離を置かなかったため、DTPは招待されなかったとのでは。」と述べた。エルチ党首は、テロに反対するクルド人政党が支援され、強化されるというようなアプローチが、これからのプロセスにおいて明らかとなるであろうとも述べ、「DTPは今まで取ってきた政策によりDTP自身を孤立させたのだ。既に今孤立している。皆がクルド労働者党(PKK)と距離を置きなさい、距離を置かなかったら当然のことながら軽視される、と言っている。」との見解を述べた。
■「対話の相手はDTPだけではないというメッセージ」
セルタチ・ブジャックHAK-PAR党首も、クルド問題の解決についての対話の相手がDTPだけではないことを気付かせた点で、会合が重要であったと述べた。
「クルド人問題にはいくつかの変更と決裂した部分がある。まだ具体化してはいないが、しかし成熟した段階に到達しているものもあるが、成果となって表れていない。産みの苦しみの中にあるのだ。ここには、ある意図があると我々は考えている。DTPとこの国でクルド問題についての対話の相手はただ自分だけだと言っている人々に、対話の相手はあなたではないというメッセージを与えることができたと考えている。」
公正発展党(AKP)のディヤルバクル選出の上院議員であるイフサン・アルスラン氏は、アメリカ大使の招待が曲解されていると述べ、『クルド・トップ会合』とみなされることに異義を唱えた。同氏は、「(朝食会に)このような意味づけがなされるなら、このような招待を前もって拒否するつもりであると主張することが利口であるようだ」と述べた。
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( 翻訳者:百合野愛 )
( 記事ID:12553 )