トルコ映画「タクヴァ」、敬虔な人々が侮辱されることなく鑑賞可能、宗務庁が賞賛
2007年01月12日付 Radikal 紙

宗務庁は、映画界で探し求めていた努力と洗練を、映画『タクヴァ』に見出した。宗務庁刊行誌は、金のオレンジ映画祭で9つの賞を受賞した映画を賞賛した。同誌は、「宗教および信仰を持つ人々を侮辱しないという点で重要な」映画について、唯一の欠点は「敬虔な人々に不快感を与える可能性がある」性的な夢のシーンであるとした。

監督はオゼル・クズルタン、主要な登場人物はエルカン・ジャン、セッタル・タンルオエン、ギュベン・クラッチらが演じている。映画では、信仰が篤く非常に内気な青年ムハッレムが、あるシャイフ(イスラム教団の長)のために家賃集金の仕事を始めてから経験する急速な変化を題材にしている。

宗務庁刊行誌は、同映画を映画としても“技巧”という点でも完璧であるとした。「我国の映画では、宗教の名の下で行われるすべてが描かれず、正確かつ忠実に表現されていないことがしばしばである。例えば、礼拝を行う主人公の俳優ですら礼拝の方法を適切に表現できず、結果として悲喜劇的な状況が現れる。この映画では、こうした状況が、ある程度まで克服されているのが見て取れる。」

同誌では、議論を呼ぶであろう同映画についての解説も掲載されている。「信仰という問題へ、最も内密かつ最も歪曲されやすいレベルに、プロパガンダや侮辱なしに近づき、素朴な信仰者がおのれの階級を越えて経験する変化を描くことに成功している『タクヴァ』は、特に題材についてこの国で多くの議論を巻き起こすだろう。」また同誌では、映画の題名タクヴァの意味も掲載された。それは、恐れること、アッラーを畏怖すること、アッラーへの畏れにより罪から守られること、そしてアッラーの命令や禁止に細かく従うことである。

■34のトルコ“映画”の一つだった

『タクヴァ』は、ハリウッド映画のチケットの最高売り上げが、次々に公開となった34のトルコ映画に明け渡された2006年の人気映画の一つだった。同映画は、1月4日までに29万7千585人の観客を動員している。日常生活の礼拝や信仰告白といった行いを映画で見る機会がほとんどないイスラム教徒らも、会場で映画を鑑賞した。




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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:4335 )