天然ガスの次は国際トラック輸送で対立―トルコとイラン
2007年01月13日付 Zaman 紙
トルコがイランのTIR運送(*)に燃料の免税措置を廃止したのに対し、イランは報復措置を採択した。トルコとアジアを結ぶ輸送の中継地として最重要な国であるイランは、トルコのTIR運送車両への「燃料油価格差額料金」を50%値上げした。運転手らは、「私たちの足元に弾丸が打ち込まれたようだ」と話している。
先週のイランとの天然ガス危機に続き、今回も2国間で陸上輸送でのÖTV(特別消費税)免除燃料をめぐる危機が勃発した。
トルコからの輸出品を積んだTIR運送を奨励する目的で、国境でÖTVとKDV(付加価値税)免除の燃料を提供していたトルコは、つい最近イランのナンバープレートをつけた車両にはこの適用を廃止した。イランは報復としてトルコのTIR運送から徴収する「燃料油価格差額料金」を50% 値上げした。この決議はトルコのイランへ向けた輸送に打撃を与えるもので、全てのトルコのナンバープレートをつけたTIR車両はイランで燃料を購入する際、以前と比べ50% 増の代金を払わなければならない。
(中略)
国際輸送業組合のチェティン・ヌホウル会長は、イランの燃料油価格の値上げは、トルコの誤った政策が原因であるという見解だ。ヌホウル会長は、トルコがイランのナンバープレートのTIR運送に与えていたÖTV免除の燃料提供を廃止しなければ、このような展開にはならなかっただろうと強調し、次のように述べた:「本来重要な他の問題がある。閣議(政府)が、密輸されているという申し立てで東部国境地域へÖTV免除の燃料の供給停止を決定したことだ。適用前には、トルコ車輌は国境から安いディーゼル油を買いイランに入国していた。イランは、トルコとイランのディーゼル油価の差額を、走行距離に応じて清算しトルコ側からとっていた。国境からの安いディーゼル油の購入が廃止されると、これを好機ととらえたイランは、トルコの車両から徴収する差額料金を値上げした。紛争はここから始まった。トルコのTIR運送が被害をこうむるだろう」。イランとトルコ間でなされた合同輸送委員会、輸送合同委員会、合同経済委員会などの諸会合で、両国間で採択される通過料金は、条約議定書で決定がなされた。 条約議定書によれば、イランのナンバープレートの車輌がトルコへ入国する際、トルコのナンバープレートの車輌が支払う高速道路や橋等の通過料といった支出記載項目以外の料金はまったく支払わないことになっている。イランでは燃料油価格がトルコに比べると安いという理由で、走行距離に応じて(都市ごとにこれらの数値が決められ料金が徴収される)トルコの輸出品を運ぶトルコのナンバープレートの車両から「燃料油価格差額料金」が徴収されていた。イランは新年から「燃料油価格差額料金」を50%値上げした。イランでの燃料油価格とトルコのTIR運送に与えられるÖTV免除の燃料油価格の間の差額は、燃料油価格差額として精算される。
*TIR運送: 道路走行車輌による貨物の国際運送を容易にするために締結されたTIR条約に基づき行われる国際運送。TIR条約では貨物を仕出地から仕向地に運送する際、経由地税関での関税や税関検査の免除等が定められている。
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( 翻訳者:富田 祐子 )
( 記事ID:4342 )