■　ムバーラク大統領、ブッシュ大統領からの電話で和平プロセスとイラクの安定について協議
■　米国務長官、マーリキー政府への支援固めのため中東歴訪を開始
■　米議員：「ライス長官には子どもがいないから、代償を支払わずに済むのだ」「新戦略はきわめて愚かなものだ」

2007年01月13日付アル・アハラーム紙（エジプト）HP1面

【ワシントン：ホダー・タウフィーク、諸通信社】

　昨日、ホスニー・ムバーラク大統領はジョージ・ブッシュ米大統領からの電話を受け、中東情勢全般、和平プロセス推進の努力、イラクの安定実現、コンドリーザ・ライス米国務長官の中東諸国歴訪について話し合った。これは、ライス長官の中東歴訪の準備にあわせて行われたものであった。長官は今日のイスラエルとパレスチナへの訪問から歴訪を開始する予定。
　
　ライス長官は、エジプトを含めた今回の中東地域歴訪では、米政府がイラクの安定を揺るがす存在と非難しているイランとの対立、そのイランの計画を挫くため中東諸国にイラク支持を促すこと、パレスチナとイスラエルの和平プロセス再開に向けた努力などを筆頭に、いくつかの根本的な問題に焦点をあてることになると公表した。

しかし焦点となるのはやはりイラク問題だろう。特に昨日、イスラエル外交筋がジェルサレム・ポスト紙に対し、米当局は国内の支持基盤が脆弱なエフード・オルメルト首相の立場を憂慮しており、ライス長官が和平プロセス推進に向けたアイデアを手にやってくるとは考えがたい、と明らかにしたことを踏まえればなおさらだ。

（中略）

　ライス長官は中東歴訪に際し、米上下両院の外交委員会において一昨日、民主党議員からも共和党議員からもこれまでに無く厳しい答弁を迫られた。諸通信社はライス長官が、特に3時間も中断なく続いた上院の委員会の間中、弱腰に見えたと報じた。両委員会の出席議員たちのスピーチからは、ブッシュ大統領の戦略を両党とも支持していないことが明らかだった。特に上院委員会での証言はドラマティックな展開を見せた。委員長のジョセフ・バイデン上院議員が、「もしもブッシュ大統領が、イラクにおけるアメリカの敵に武器や訓練を施すネットワークを全滅させるとの脅しを実行に移して別の戦争を引き起こすようであれば、議会がこれに介入するだろう」と警告したのである。そのネットワークとは、明らかにイランとシリアを示唆したものである。

　加えてバイデン委員長は、「ブッシュ大統領に議会から委任された権限は、イラク戦争に限定されており、別のどのような軍事行動を始めるにあたっても、追加の委任権が必要となる。何人たりともそれを無視することは出来ない」と述べた。これを受けてホワイトハウスは、「合衆国は対シリア・イラン戦争開始を計画してはいない」と強調した。

また下院の外交委員会メンバーたちもライス長官に対して負けず劣らず厳しい態度で臨んだ。特にイラクにおいてアメリカが払っている代償に話が及んだ際には、政府の財政的負担を削減するためサウジアラビア王国に対し高騰する石油収入を使わせるべく圧力を加えよとトム・ラントス議員が米当局に要求した。
（後略）



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（ 翻訳者:勝畑冬実 ）
（ 記事ID:4346 )