昨日の議会は、“文化”論争の場となった。公正発展党(AKP)のアヴニ・ドアン議員が、「私たちの文化はただ一つ。名前はトルコ-イスラム文化だ」と述べたのに対し、民主市民党(DTP)のサバハト・トゥンジェル議員はクルド文化の存在を指摘した。
昨日(6日)大国民議会本会議で行われた、文化観光省の予算についての話し合いで、政府に対し反対意見が出され、“文化研究”論争が起こった。AKPのカフラマンマラシュ選出アヴニ・ドアン議員は、最近トルコで“文化地図作成”の動きがあると主張し「トルコの文化色は一色だ。英国人は英語、フランス人はフランス語、ドイツ人はドイツ語を話すが、文化について語るときは『西洋ヨーロッパ文化』と言う。だが私たちは一つの固有の文化を持っており、その名はトルコ‐イスラム文化だ」と述べた。
同議員は、中央アジア諸国を訪れた際、Nevruz(訳者注:旧イラン暦で3月21日にあたり、一年と春の始まりとされる祝日。クルド人が盛大に祝う)のお祝いが行われているのを目にしたと話し、次のように述べた。
「Nevruzはトルコで忘れ去られてしまった。残酷なテロ組織はこのことを私たちに対するスローガンとして使い始めている。トルコを文化のモザイクと呼ぶのは非常に間違っている。色は多数あるかもしれないが、基本となる色は白だ。私たちは基本色を持たなければならない。」
DTPのイスタンブル選出サバハト・トゥンジェル議員は、トルコにはクルド文化をはじめ数多くの異なる文化が存在し、文化観光省もこうした文化の研究をする必要があると述べた。さらに同氏は、クルド文化の発展は社会平和にとって重要であると訴え、この分野において活動する市民団体や出版社、各種機関を支援することや、クルド語の詩、4行詩、民話、歌を収集、保存することを求めた。
民族主義者行動党(MHP)のメティン・エルグン議員は、「大臣が行った予算に関する答弁における、芸術を重んじる姿勢に沿うとすれば、そのようなビジョンやミッションがあるのが見える。しかし、各プロジェクトを見てみると、文化的ビジョンやミッションは全く見えない」と述べた。
文化観光大臣のエルトゥールル・ギュナイは、“文化の多様性”論争に対し、「トルコ国内に存在するありとあらゆる価値あるものを、土地、階級、民族、色、ルーツの違いを気にかけずに全体として所有するということは、私たちが文化に向き合う際の基本的な考え方だ。これを理解し難いという人もいるかもしれないが、それでも私たちはこのことを努めて口にするようにしている」と応じた。ギュナイ大臣は、DTPのオスマン・オズチェリキ議員がクルド語発展のための活動が行われるのか否かを質問すると、国内に存在するすべての財産を守っていくと話した。
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( 翻訳者:倉本さをり )
( 記事ID:12617 )