イラク治安情勢、「覚醒委員会」の活動等
2007年12月08日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ モースル「覚醒」とアル=カーイダ交戦
■ ティクリート、イッザト・アル=ドゥーリー捕縛を免れる

2007年12月08日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【モースル、ティクリート:本紙・諸通信社】

土曜(8日)、サラーフッディーン県副知事アブドッラー・フサイン・ジャッバーラは、サッダーム元大統領補佐官イッザト・アル=ドゥーリーをティクリート近郊の村で拘束しようとしたが逃がしたと発表した。

同副知事によれば、金曜(7日)夕、ティクリート東のアル=サーダト・アル=ナイームの村で、警察と地元支援グループから成る軍が、情報提供に基づき、イッザト・アル=ドゥーリーの潜伏地とされる家屋に踏み込んだが、同人は発見されなかった。

しかし、アル=ドゥーリーと北部各県の武装組織の繋がりを確定し得る書類、メモランダム等が押収された。それらは、各武装組織の首領からドゥーリーに宛てられたもので、日付と組織活動に関する細かい情報を含んでいる。

また、治安軍は、3月に起きたモースルのバードゥーシュ刑務所襲撃計画の原本にあたる書面を発見した。ニネヴェ県が管轄するバードゥーシュ刑務所は、3月に武装集団による襲撃を受け、サッダームの甥を含む収容者140名が脱獄している。

アル=ドゥーリー捕縛作戦についての情報を有する治安筋によれば、作戦実行部隊は、問題の家屋近辺でオペル製の新型車両を見張っていた。また、踏み込んだ場所では、コンピューター、軽火器、暗視スコープ、20万米ドルに相等する2億5千万イラクディナールを発見、コンピューターに、北部県で活動する武装組織に関する書類が含まれていた。


他方、モースルの覚醒委員会の長、アル=シェイク・フワーズ・アル=ジャルバーは、金曜夕、モースル西、アル=バアージュ地区アル=ジャジーラ覚醒部隊の2小隊が、アル=バアージュ南の空港地区でアル=カーイダの武装集団と交戦したと述べた。

空港地区は2003年4月以来放置されているもので、武装集団の隠れ家となっていた。空港を包囲しての戦闘には、地元バアージュの「覚醒」指導者の1人、アリー・アル=シャムリーが率いる200名近くの要員が参加しており、報告された時点ではまだ交戦中であった。

武装集団側は、迫撃砲並びに各種のマシンガンを含む多様な武器を使用しており、「覚醒」側の武器をしのいでいる。双方の損失の詳細は明かされていない。

また、木曜、モースル北東の村で、3台の車両に乗った武装集団が発砲し、覚醒指導者の1人を含む戦闘要員4名が死亡した。

「覚醒委員会」は、各地の武装組織、得にアル=カーイダ系に対抗すべく、イラク政府との協力の元、有力部族らが組織するもので、数百名の地元青年をメンバーとする。「覚醒」組織は、全国各地、特にアル=アンバール、ディヤーラ、サラーフディーン、モースル及びバグダードの幾つかの地区に波及し活動している。


米軍発表によれば、金曜、米・イラク合同軍は、バグダード北方のバルドで、米空軍3名の殺害に責任を負うとされる1名を殺害、他55名を拘束した。

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:12628 )