中央アジアのトルコ系諸共和国と共通アルファベット案、検討へ
2007年12月09日付 Zaman 紙
アブドゥッラー・ギュル大統領は、トルクメニスタン訪問に同行した研究者達から、トルコ系諸共和国間でコミュニケーションをしやすくする共通のアルファベットを作り上げることについての意見聴取をした。
専門家達は、ローマ字による共通の文字言語を提案する一方、このアルファベットには34字が必要という見解を大統領と共有した。さらにトルコ系言語を話す国々のあいだで、大統領直属で活動を行う「トルコ世界事務総局」の設立について研究者達は、ギュル大統領が先導役をつとめることを求めた。共通アルファベット構築を進めるためには、トルコが強く主張していくことが重要であることが指摘されている。
ギュル大統領のトルクメニスタン訪問には、ファーティフ大学現代チュルク諸言語・文学科の学科長、メフメト・カラ教授、エーゲ大学トルコ世界研究所所長のフィクレト・チュルクメン教授、アンカラ大学言語歴史地理学部、現代チュルク諸言語・文学科の学科長セマ・バルトチュ・オゾンデル教授も同行した。
ギュル大統領は、大統領府着任後、外国訪問に実業家も動向させるようになった。同様に、大統領が研究者も旅行に同行させるようになったことは、好ましい進展であると評価されている。
トルクメニスタン行きの飛行機に乗り込んだ研究者のひとりチュルクメン教授は、次のように話した。
「我々の大統領が、研究者のことを念頭に置いてくださったこと、そして飛行機に乗せてくださったことは、よいことの始まりを示しています。トルクメニスタンのように、地理的にトルコ世界に属する国々には、単に経済的分野だけではなく、文化的分野、科学的分野、そして交流をもたらす全ての分野で近しい関係が構築されるべきです。
例えば、トルクメニスタンとはデデ・コルクトやオウズ・カーンの叙事詩のように、近いというどころか同じ文化的要素を我々は持っているのです」
チュルクメン教授は、諸国間のビザの問題を克服し、共同で国際会議を実施することを提案した。
カラ教授も、大統領からトルクメニスタン旅行参加に招待されたことの喜びを語った。そしてトルクメニスタンとトルコ共和国のトルコ語には、共通の単語が80%も占めると説明した。カラ教授は、このような高い割合にも関わらず、両国の国民がコミュニケーションに苦労していることは、両国のアルファベットの違いに起因するとした。
カラ教授は研究者として、この点でアブドゥッラー・ギュル大統領に対し、34文字からなる共通アルファベットの構築について、トルコが先導役となる必要があると提案したと述べた。
バルトチュ教授は、トルクメニスタンのようなロシア語から影響を受けた国々と絶対に共通アルファベット構築で合意に至る必要があると強調した。同教授は、共通言語によって強力なコミュニケーションの確保が可能となることに人々が注目するよう促した。
ギュル大統領の2日間のトルクメニスタン訪問は、トルコと中央アジアのトルコ系諸国間の新たな時代の幕開けと見られている。大統領レベルで7年ぶりにトルクメニスタン訪問を実現したギュル大統領は、2日間の訪問でトルクメニスタンのグルバングルイ・ベルディムハメドフ大統領と予定を大幅に超えて計6時間、二者会談を行った。
ギュル大統領は、トルクメンの指導者、ベルディムハメドフ大統領をトルコで歓待することを楽しみにしていると述べ、公式に招待した。2007年2月に大統領職に着任したベルディムハメドフ大統領はこれを受け入れた。
ギュル大統領は、中央アジアトルコ系諸共和国に向けた第二回目の公式訪問を、時間をおかずに実現させる予定で、12月12日から15日にカザフスタンを公式訪問する。大臣、外交官、官僚、実業家、そして新聞記者など150人以上が参加する訪問の枠組みでギュル大統領は、首都アスタナとアルマトで外交日程をこなす予定だ。
ギュル大統領は中央アジア諸国を訪れる前の10月中に南コーカサスにある2つの重要な国、アゼルバイジャンとグルジアを訪問している。トルコはこの訪問で、その2国も参加する「共同経済区」の基盤構築も行った。
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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:12631 )