■ エジプトとギリシアが経済関係の発展で合意
■ ムバーラク大統領とパプーリアス大統領、パレスチナ国家の建設およびシリア・レバノン和平交渉推進への努力継続の必要性を確認
■ アレクサンドリア図書館再建への努力を称え、ムバーラク大統領にメダルを授与
■ 本日ムバーラク大統領はギリシアのカラマンリス首相および野党党首と会談する予定
2007年12月04日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【アテネ:ウサーマ・サラーヤ記者】
エジプトとギリシアは両国間の歴史的関係と、特に投資と通商面における二国間関係を発展させる機会を利用する必要性について一致した。また、独立したパレスチナ国家建設と、シリア・レバノン両国とイスラエルとの包括和平に道を開く和平合意を目指し、アナポリス和平会議の成果を継続させていくことが重要だとの見解で一致した。
ホスニー・ムバーラク大統領はギリシアのカロロス・パプーリアス大統領との昨日の協議後、「今回のアテネ訪問は、両国間の堅い歴史的な関係、地域・国際問題についての協議と調整を継続しようとする互いの意欲、またすべての分野における二国間協力の強化が反映されたものだ」と発言した。そして大統領は記者を前に、ギリシア大統領が地域平和のために果たしている大きな役割への評価を表明した
ムバーラク大統領は、「協議ではバルカン情勢の検討に加え、イラクや湾岸地域、ダルフールの状況についても話し合われた。また、ポルトガルで開かれる次回のアフリカ・ヨーロッパ首脳会議およびバルセロナ・プロセスの枠組みでの地中海諸国間協力についても話し合いが行われた」と述べた。
一方、カロロス・パプーリアス大統領はムバーラク大統領のギリシア訪問を歓迎し、ムバーラク大統領をアラブ世界の「傑出した人物」であると評しつつ、長い歴史に根ざしたエジプトとギリシア両国のつながりに触れた。
また、ギリシア在住エジプト人とエジプト在住ギリシア人の果たす重要な役割について「両国を結ぶ友情の貴重な懸け橋」と説明し、さらにエジプトとギリシアの経済面の関係、特にエネルギー、運輸、投資分野における発展を称え、その発展の必要性を訴えた。
ムバーラク大統領は、アテネに昨日の午前中に到着した。これは1985年以来の訪問となった。アテネ国際空港ではカロロス・パプーリアス大統領が出迎え、両大統領は大統領府で1時間、二人だけで会談を行った。会談では二国間関係および両国にとって重要な地域・国際問題が話し合われた。
共同記者会見に続き、両大統領はエジプトとギリシアの随行メンバーを含む拡大会議を開催、途中パプーリアス大統領は、ムバーラク大統領と随行団を歓迎するために、昼食会を設けた。
ムバーラク大統領は昨日夕方には、ギリシアの団体がアレクサンドリア図書館との友好のために開いた文化芸術式典に参加した。会場での演説で大統領は、「アレクサンドリアの町とその図書館とは、古代エジプト文明と古代ギリシア文明の出会いの象徴であり、それらが人類の遺産に与えた偉大な貢献の証明でもある。エジプトは1600年前に消失したのと同じ場所にアレクサンドリア図書館を再建することに成功した」と述べた。この式典で大統領は、アレクサンドリア図書館友好協会のメダルを会長から授与された。大統領は、「このメダルはエジプトとギリシアの歴史的関係の深さを物語る数多くの象徴のうちの一つと言えるだろう」と述べた。式典にはエジプトとギリシアから政府高官や思想家、芸術家らが参加し、ギリシアの文化大臣も出席した。
ムバーラク大統領はアテネの滞在先で今朝から政治・外交活動を再開し、PASOK(全ギリシア社会主義運動)のヨルゴス・パパンドレウ党首と会談した後、社会党党首とも会談の予定。午後にはギリシア首相官邸に向かい、コスタス・カラマンリス首相と会談を行った後、随行団を交えて昼食を挟む拡大会議に臨む。晩にはパプーリアス大統領がムバーラク大統領を歓迎し、夕食会を開く予定である。
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( 翻訳者:金田雄一郎 )
( 記事ID:12635 )