アナポリス会議閉幕、各国メディアが報じなかった逸話
2007年11月29日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ 世界のテレビカメラが写さなかった興味深い矛盾
■ サウジアラビアのファイサル外相はイスラエルのオルメルト首相に耳を貸さず
■ 会議開催の10分前に共同声明で合意

2007年11月29日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

 14ヶ月以内にパレスチナ・イスラエル紛争の解決を公約することにより終わったアナポリス会議では、終始混乱が支配した。長時間にわたる集中的な議論の間、パレスチナ代表団はイスラエルの共同声明案を拒否していたが、最終的にはパレスチナ・イスラエル共同声明が発表された。

 会議開催のたった10分前、アメリカのコンドリーザ・ライス国務長官はジョージ・ブッシュ米大統領に助けを求め、ブッシュ大統領は交渉に直接介入した。その結果、パレスチナのマフムード・アッバース大統領は、ブッシュ大統領とイスラエルのエフード・オルメルト首相とのホワイト・ハウスでの三者会談において、声明に同意した。

 文書を印刷する時間がなかったため、ブッシュ大統領は公の場では珍しく眼鏡をかけて、イスラエル・パレスチナ合意文書を読んだ。

 また、アラブ連盟のアムル・ムーサー事務局長は、文書の内容をめぐる合意の遅れの原因は、イスラエル代表団がイスラエル国家のユダヤ性に言及する表現を入れることに固執したことにあると明かした。

 会議でイスラエル首相が演説を始めたとき、外相全員が耳にヘッドホンを着けたが、サウジアラビア外相のサウード・アル=ファイサル王子はヘッドホンを着けなかった。

 船乗りよろしく「沈みゆく船を見捨てまい」というわけで、長く巨大なテーブルに着席した約50人に達する出席者は、ライス国務長官の呼びかけで順番に発言の権利を与えられた。

 イスラエルのツィピ・リブニ外相は、北の隣国との平和を実現させるというイスラエルの希望を伝えるため、シリアのファイサル・アル=ミクダード副外相に語りかけた。

 フランス通信社によると、イスラエル代表団のある責任者は、「ツィピ・リブニ外相はミクダード副外相を見たが、彼は顔を背けなかった。これは重要なことである」と述べた。

 またエジプト代表団のあるメンバーは、イスラエル人のためにユダヤ教の伝統にのっとって準備されたサンドイッチに手をつけていた。

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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:12661 )