ピアニスト、ファズル・サイさん発言に反応さまざま
2007年12月15日付 Radikal 紙

ギュル大統領:そんなことがあるだろうか?ファズル・サイは我々の高名なピアニストだ。
公正発展党(AKP)フラト副党首:我々が大きな悲しみを感じるとは思わない。

「私達はすでに少数派になり、孤立しています。すべての大臣の妻たちはスカーフを着用しています。イスラム主義者らが力を得ました。大統領官邸にも私は呼ばれませんでした。私はトルコを去るかもしれません」と語ったトルコの世界的ピアニスト、ファズル・サイ氏に対し、大統領側が彼を擁護する一方、AKP執行部はそれに「無関心」な態度を示した。
エルトゥールル・ギュナイ文化観光大臣は、「1人の才能ある芸術家が、自身の属する社会と疎遠になることを残念に思う」と表現した。

■セヴェル氏:官邸に招かれていた
ドイツで発行された南ドイツ新聞(Süddeutsche Zeitung)に掲載された、ファズル・サイ氏の発言に関する質問に答えたアブドゥッラー・ギュル大統領は、「そんなことがあるだろうか?サイは世界的に高名な我々のピアニストだ」と述べた。大統領官邸の報道担当顧問であるアフメト・セヴェル氏も、サイ氏が官邸で行われたレセプションに招待されなかったという発言に関して、「彼は招待客のリストに挙がっていた。ただ、彼がなぜ来なかったのか私にはわからない」と話した。

AKP副党首デンギル・ミル・メフメト・フラト氏は、異なった見解を披露した。トルコと、国籍という繋がりで関係していることを低く評価する者はトルコから去りうると述べたフラト氏は、次のように続けた:「人は自身が望む国で生きることができる。去る者にも我々は敬意を払う。我々が大きな悲しみを感じるとは思わない。トルコにおいてすべての国民は平等なのだ。1人のファズル・サイが5人のトルコ国民ということにはならない。スカーフを着用する人としない人との間に違いはないのだ」

トルコ大国民議会(TBMM)で記者らの質問に答えたギュナイ氏は、サイ氏を称えると同時に批判した。文化観光大臣は、サイ氏のトルコを去るかもしれないという決意を、「適切ではない」と述べ、次のように語った:「サイは、才能ある芸術家だ。私は彼がトルコの未来について、もっと希望を抱くことを強く願う。トルコの未来に対して不安を抱かせるような事件はまったくない。我々はより寛容になるべきだ。才能ある芸術家が自身の社会から遠ざかることを悲しく思う。芸術家と政治論争を行うことも私は正しいと思わない」

ある記者の、「サイは彼らが少数派になったと言っていますが、社会においてそのような変化はありますか?」という質問に対しては、「いや、彼がこのようなことを言ったのは残念だ。アナトリアでは皆ファズル・サイに対し大いなる愛情を抱いている。このような社会で、人は自分をどうして少数派と感じるだろうか」と答えた。

ギュナイ氏は、サイ氏が大臣の妻の多くがスカーフを身に着けているという発言については、コメントを避けた。ギュナイ氏は次のように述べた:「これは、怒ってひとりごとを言ったのだろうと思う。近い将来、おそらく(彼と)会うことになるだろう。芸術家の友と座り込んで話をすれば、少し会話のやりとりをしただけで理解しあえるだろう。心配しないでください」と話した。ギュナイ氏は、ファズル・サイが今後(レセプションに)招待されるかどうかという質問に対しては、「強く希望する。次の機会には電話するようにしよう」と答えた。

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( 翻訳者:林 奈緒子 )
( 記事ID:12673 )