トルコの食品・菓子メーカー、ウルケル社、チョコレートで有名なゴディバを買収
2007年12月21日付 Milliyet 紙
ウルケル(Ulker)は、世界で最も有名な高級チョコレートメーカー、ゴディバを買収した。
キャンベル・スープ社はチョコレート事業からの撤退にあたり、年間約5億ドルを売り上げるゴディバブランドの売却先を探していた。40年間キャンベル・スープの傘下にあったゴディバの売却は、Centerview Partners LLCコンサルタント会社に委託された。
ゴディバの売却額は8億5千万ドル。ウルケルは今回の買収で、海外への事業展開に向け重要な前進を果たし、世界的なチョコレートメーカーを手にした。
■キャンベルにはそぐわなかった
ゴディバのCEOダグラス・R・コナント氏は発表で、ゴディバが世界で最も有名な高級チョコレートメーカーの一つであり、キャンベル傘下の事業のうちでも今後業績が伸びることが期待される部門であるとしながらも、高級チョコレート事業は現在キャンベルが中核とする商品枠にはそぐわなかったと述べた。
1926年、ブリュッセルでチョコレート職人ジョセフ・ドラップスが創設したゴディバは、現在世界中で知られる。80カ国で450の専門店、9300の販売店を持ち、商品も高級チョコレートからクッキー、コーヒー、ココア、チョコレート飲料、ケーキ、チョコレートバーと多岐に渡る。これらの商品は北アメリカ、日本、太平洋沿岸諸国、そしてヨーロッパに及ぶ4つの主要市場で消費者からの人気を得ている。ウルケルも、トルコでゴディバの店舗をオープンする予定。
ゴディバの名前は、興味深い伝説に由来する。ゴディバの創設者ジョセフ・ドラップスは、同社をレディ・ゴディバの伝説にちなんで名づけた。それによると、イギリスのコベントリーという街に冷酷な領主レオフリックがおり、その妻であったレディ・ゴディバは夫が課した高い税金に反対した。領主は、レディ・ゴディバのこの反対にある提案をする。もしレディ・ゴディバが裸で馬に乗って街を駆け抜け、民衆がその間家にとどまれたならば、税金を取り除くと。レディ・ゴディバはこの提案を受け、言われたとおりに街に出た。民衆のうち誰一人として家からでる者もなく、レディ・ゴディバのことを見た者もなかった。そして領主は貧しい民衆に対する高額な税を取り下げた。勇気あるレディ・ゴディバの名は、こうしたふるまいによって後にベルギーの有名チョコレートにつけられることになったのである。
■アリ・ウルケル:再び先駆者としての役割を果たした
昨日(20日)の契約書への署名をもって、ゴディバのすべての関連会社、ロゴマーク、設備、企業秘密、特許はウルケル・グループの傘下に入った。ウルケル・クッキー・チョコレート・ケーキ事業本部のアリ・ウルケル事業本部長は今回の買収について次のように話した。
「ウルケルがすでに行っている海外投資と並んでゴディバのような世界的ブランドを傘下に入れることは、事業への意欲を示す、最も重要な実例の一つだ。業界の老舗かつ、高級チョコレートの製造、販売のリーダーであるゴディバをトルコの企業が買収したということを、私たちは非常に意義深いことと捉えている。ウルケルはお客様に常に新しいものを提供し、サービスの質、味ともに業界を引っ張っているが、海外進出においても再び先駆者としての役割を果たしたのだ。」
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( 翻訳者:倉本さをり )
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