身に付けた色彩で判るパレスチナ人学生の政治的傾向
2007年12月15日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ 白、黒、赤、緑といった色でパレスチナの学生の政治的傾向が判る
■ 新しく入学した「原石」たちは政治的帰属と授業料の支払い元を模索
2007年12月15日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ラーマッラー:本紙ワリード・アウド】
もしあなたがパレスチナの大学を訪れることがあったならば、様々な色彩のショーを観ているかのような気分になるかも知れない。選挙や政治的事件などの際にはさらに顕著である。またもし学生の構内や教室にまで足を伸ばしたならば、あなたはまるで自分がパレスチナ各派間の戦場にいるように感じるかもしれない。そこでは白と黒のパレスチナ風クーフィーヤをつけた何百人もの学生が目に入るかもしれない。彼らはファタハに属する青年たちで、白と黒のクーフィーヤは彼らがファタハに所属していることを示しているのである。
また別の方向に向かって歩いて行けば、赤いパレスチナ風クーフィーヤを着けている多数の学生たちに出会うかもしれない。もしあなたが彼らの1人に尋ねたならば、私に対して答えたのと同じように彼らはパレスチナ解放人民戦線(PFLP)に所属していると答えてくれるだろう。
さらにシャリーア学部の建物に向かって歩いていけば、男子学生やベールを纏った女子学生たちが着けている緑のたすきを見ることができるはずである。そこであなたは自分が、パレスチナの各大学のシャリーア学部を自らの拠点とみなしているイスラーム抵抗運動はマースの王国に足を踏み入れたことに気づくだろう。
さらに大学での散策を続けていけば、黒い服に黒いたすきをつけた学生たちもいることに気づくだろう。黒い服とたすきを身に着けている理由を学生の1人にそっと尋ねてみたならば、声をひそめて彼らがイスラーム聖戦に属していることを教えてくれるだろう。大学から出ようと正門の1つに近づいたあなたは、白、黒、赤、緑といった様々な色により学生たちの政治的帰属を特定できることに気づくだろう。
もしこうした大学の新入生について尋ねる機会があれば、あなたは彼らが学生たちの間で「新入生」ではなく「原石」という呼び名で呼ばれていることを知るだろう。エルサレム大学の女子学生ドゥアー・ジャービルが語ったように、原石たちのほとんどは入学当初は政治団体に所属していないのである。
それゆえパレスチナ各勢力の活動家の肩には彼ら原石を集めるという責任があるのである。それにはいくつかの方法がある。一番確実な方法は新しく入ってきた原石たちの大学の授業料を保証したり、さまざまの方法で授業料の支払いを肩代わりするという約束を交わすことである。ビールゼイト大学経営学部の学生であるアハマド・ハーリドが語ったように、授業料を払ってくれる人物を探すことで頭が一杯の入学者もいるのである。
ハーリドが語ったのと同じように、エルサレム大学のドゥアーの友人である女子学生も、大学の授業料をいかに確保するかということが原石のほとんどにとって一番の関心事であると語った。それはつまり、一番多くの原石たちの大学の授業料を保証できる勢力が一番多くの学生を勝ち取ることができるということである。
(後略)
現地の新聞はこちら
( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:12729 )