イスラエル国内でアラブ人市民に対する人種差別が増大
2007年12月10日付 Al-Nahar 紙
■ イスラエルでユダヤ人のアラブ人に対する嫌悪感、民族差別が増大
2007年12月10日付アル=ナハール紙(レバノン)HPアラブ国際面
【UPI、MENA】
イスラエル市民権協会が人権週間を機に発表した報告書は、イスラエルにおけるユダヤ人のアラブ人に対する嫌悪感やアラブ人に対する民族差別の現象が増えていることを明らかにした。クネセト(イスラエル国会)が可決した民族差別的な諸法律や、空港でのアラブ人国民に対する侮辱的な待遇、言論の自由の制限、アラブ人が居住する自治体への予算配分における差別などによるものである。
報告書によると、アラブ人に対するユダヤ人国民の嫌悪感は100パーセント増大し、アラブ人に対する民族差別的な事件の数は2006年に26パーセント増加した。ユダヤ人国民の半数がユダヤ人とアラブ人の間の権利の平等が必要であると見ている一方で、55%はイスラエル国家がアラブ人国民の移住を奨励するという考えを支持し、78%は政府へのアラブ系政党の参加に反対しているという。
また報告書が明らかにしたところによると、ユダヤ人の若者は、アラブ人について民族差別的な先入観を抱いている。すなわち、69%が「アラブ人は賢くない」と述べ、75%が「アラブ人は教育を受けていない」、75%が「アラブ人は文明的でない」、74%が「アラブ人は清潔さに欠ける」、75%が「アラブ人は暴力的である」と述べた。
また報告書は、アラブ人国民の存在の合法性を剥奪しようとする複数の法案がクネセトに提出されていることを明らかにしている。その中には、選挙での投票や社会保障の受給の条件として兵役や「国民としての奉仕」を義務づけるものや、閣僚やクネセト議員にユダヤ人国家への忠誠を誓うことを義務づけるものがある。
さらに、「イスラエル国内の空港当局はアラブ人国民に対して常に侮辱的な対応を行い、彼らを治安上の脅威とみなしている」という。また、「政府はアラブ系新聞における言論の自由を脅かし、政策を批判する新聞に対しては経済的ボイコットや政府関連広告の掲載停止などの措置をちらつかせている」とのことである。
(後略)
( 翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラビア語メディア翻訳) )
( 記事ID:12734 )