トルコ大統領、首相、兄弟国パキスタンでのブット暗殺に深い悲しみ
2007年12月28日付 Radikal 紙
兄弟国パキスタンを代表する指導者の一人であるベナジル・ブット元首相が暗殺により死亡したことをトルコは「深い悲しみ」とともに受け止めた。アブドゥッラー・ギュル大統領は、今月上旬「第二次クーデター」後パキスタンを訪れた初めての外国人指導者であり、ブット元首相とも会談を行ったが、(事件を)「非常に遺憾」と話しこれ以上血の流されることがないよう望んだ。(レジェプ・)タイイプ・エルドアン首相はパルヴェーズ・ムシャラフ大統領に電話で哀悼の意を述べた。
■ ギュル大統領は将来を不安に感じている
ギュル大統領は、新聞記者に対して、ブット元首相とは以前から知り合いで、12月3日の訪問で「素晴らしい話し合いを行った」と明かし、「パキスタンの平安を祈っている。問題は現在非常に重大な局面にあるということだ。誰もが自身の属する国家を自らのものと受け止め、平安を感じるべきであり、これ以上血が流されるようなことがあってはならない。パキスタン国民は今危険な状況の中にいる。選挙はどうなり、どう進んでいくのだろう。パキスタンは我々にとって兄弟国であり、皆が助けとなることが必要だ」と述べた。
また「国家の平穏、平和を狙ったこの憎むべきテロ行為に対して、兄弟国パキスタンの国民、そしてあらゆる政党が下す最も効果的な対応は、憤激や挑発にとりつかれずに、民主主義と平安が訪れるよう一致協力することである。テロリズムや過激派との闘争において、我々はパキスタンの味方であり続ける」との同大統領の声明も発表された。
■ ザルダーリー氏にも電話を
エルドアン首相は電話で、首相個人、政府、トルコ国民の名の下でムシャラフ大統領と兄弟国パキスタンの国民に哀悼の言葉を述べた。「このテロ行為は、パキスタンにおける民主化の過程を妨げることはない。トルコ国民として我々は兄弟パキスタン国民の味方である」と話したエルドアン首相が、ブット元首相の夫アースィフ・アリー・ザルダーリー氏に電話をかけることが明らかとなった。
外務省の会見でも「パキスタンの秩序と安定をかく乱しようという目的があるのは疑いがない」という判断がなされ、パキスタン人民党を筆頭にあらゆる政党がテロに対して一致協力するよう呼びかけがなされた。父ズルフィカール・アリー・ブット氏同様に人生をパキスタン国民に「捧げた」ベナジル・ブット元首相が「国家が平安を迎えるようおこなった戦い」が、こうした一致協力への指標となることが望まれた。
トルコ大国民議会は声明で「パキスタンの安定と平和を破壊しようとするテロ行為を激しく非難する」一方、トルコ大国民議会キョクサル・トプタン議長も「非常に危険な状態となった兄弟国パキスタンにおいて、これ以上血が流されないことが、我々共通の望みである」と述べた。
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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:12765 )